持続可能な社会を考える 「自分の着る服について考える」

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今日は、こんにちは、ゆうあいセンターSDGs&CSR相談員 小桐です。
まもなく、5月を迎えます。いつの間にか桜は散り、ハナミズキやつつじ、藤の花が満開の季節となりました。さて、少し前の日付ですが、4月24日は何の日だったかご存知ですか?
実は、「ファッションレボリューション」の日だったそうです。聞きなれない言葉ですがこれは、自分が着ている服がどんな環境の下で作られているかを知りたい人を増やして、衣服製造に関する生産背景を透明化しようという世界的な運動の日なのです。

そういえば、テレビなどでもこの日の前後にファッションに関係する話題が放送されていたようです。
今回は身近なファッションとSDGsについて考えてみたいと思います。

ファッションレボリューションが始まったきっかけは、2013年にバングラディシュの縫製工場のビルが倒壊し、多くの方々が亡くなった日だったことでした。過酷な労働条件下で服が作られていることを初めて世界中の人々が知ったのでした。何気なく自分が着ている服とそれを製造する人々の人権が直接かかわるということをこの事件をきっかけに世界中の人が関心を持つようになったのです。

「パターンランゲージ」 これは、購入時点でその品物が、どこでどう作られたかを知り、納得して選べるようにする「もの選びのための物語を考える消費行動」と言われています。
知らないうちに自分が購入した商品で、生産に関わる人の人権や健康に問題があったり、地球環境や他の生物に悪影響を与えたりするのは、いやだと考える人々が増えたということです。

4月21日の朝のニュースでこんな報道がありました。 1週間前の4月16,17日に東京で行われたアースデーのイベントで高校生たちが、イベントに来た人に好きな絵を描いてもらい、それをTシャツにプリントして世界で一つだけのオリジナルTシャツを販売したというものでした。
この高校生たちは、「やさしいせいふく」プロジェクトのメンバーだったのです。3年前、2019年の同イベントで彼らは、ファッション産業のサプライチェーンや素材の裏側を知り、持続可能な学校服を作りたいと動き出したプロジェクトだったのです。
「自然にやさしい」「人にやさしい」「世界にやさしい」の三つを理念に、「ありがとうと笑顔が生まれる服作りを世界中に浸透させることを最大の目的としたプロジェクト」としてスタートしました。
翌年から「学生ブランド作っちゃおうぜ!」を立ち上げ。20年1月に一緒に取り組む企業や団体を募集するプレゼンテーションを行い、名称を変え、大学生、高校生、中学生でメンバーを構成し、大人のサポーターの応援を得て、Tシャツの販売にこぎつけたのです。 

実はこのTシャツの素材はオーガニックコットン。1500円のTシャツを買うとこの綿花栽培に従事したインドの農家の方々に1着当たり、100円の寄付をするというものです。しかも当日は、インターネットで現地の人たちとの交流ができる仕掛けもしていました。どのような人たちが、どんな思いで、環境で、Tシャツの元となった綿花を栽培しているのか直接話が聞けたのです。
興味がある方は、彼らの活動にアクセスしてみてください。
◆やさしいせいふく公式ホームページ https://sites.google.com/view/schoolstrike-for-textile
◆ツイッター@official_schbra
◆インスタグラム@schoolstrikefortextile

一方岡山で活動するこんな人が紹介されました。倉敷市で不動産業を営む楠戸俊宣さんが地域で育てた綿花を原料に子ども服を作るプロジェクトに取り組んでいます。
かつて瀬戸内海沿岸で盛んだった綿花栽培を復活させるとともに、「“倉敷産”の製品を子どもたちに着てもらいたい」との願いでスタート。ネット上でクラウドファンディングを行い、資金支援を募って実現しました。
2019年から市内の耕作放棄地を借りて栽培を始め、 福祉施設や金融機関などからの協力の輪が広がり、今年は作付面積が約6600平方メートル(4カ所)と初年度の1・7倍まで拡大。収穫した綿花を原料にセーターやカーディガンなどを制作し、「champ de coton(シャン デ コトン)」のブランド名で販売しています。
 CFは、山陽新聞社や中国銀行などが連携して展開するCFサービス「晴れ!フレ!岡山」を活用し、120万円を目標にしてあつめたそうで、返礼品にはセーターや産着、新生児用のおくるみなど製品(1万~3万円)のほか、綿摘み体験と綿実(コットンボール)の花束のセット(3千円)も用意している。資金は製品開発や作付けの拡大などに充てるということでした。

地元で、顔の見える服がつくられるという ファッションレボリューションのまた違った流れです。耕作放棄地の有効活用にもつながり、地域課題解決に一歩前進ということが言えるのではないでしょうか?

さて、5月14日には、山陽新聞社連続シンポジウムが開催されます。次回のテーマは「みんなにやさしいファッション」です。まだ、着ることが出来る服が大量に廃棄されている日本、環境への負荷も問題視されています。また、服の製造から廃棄までは、大量のエネルギー、水が費やされます。当然CO2の排出も多く、廃棄による汚染問題も世界では起きています。 県内でもリユース、リサイクル、余った生地などの取り組みがなされていて、これらが紹介されます。

パターンランゲージについて考える機会にしませんか? 5月2日まで参加が申し込めます。
https://c.sanyonews.jp/sdgs_sympo

また、環境省では、森里川海プロジェクトを展開していて
http://www.env.go.jp/nature/morisatokawaumi/project.html
そのサイトの中に森里川海チャンネルというバナーがあります。この中では、ファッションとSDGsに関係する動画も多く掲載されています。15分ほどにまとめられていて見やすいです。是非一度ご覧ください。

□暮らしを変えるSDGsチャレンジvol.5~#もののものがたり 編
https://www.youtube.com/watch?v=zBqhmNiv1cw
□小川オーガニックフェス2019~トークステージ「SDGs×衣食住」~
https://www.youtube.com/watch?v=uSiOGgGGjY0
他にも色々あります。

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