地域自主組織と小規模多機能自治を考える @地域力研修

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Tomoko Ishiba


4月24日~26日、岡山市のゆうあいセンターで協働と中間支援について学ぶ「地域力・協働力・支援力研修2014in岡山が開かれました。
私は1日目(24日)の地域力研修に参加して「小規模多機能自治」の現在と今後さらなる進展に向けた取り組みを伺い、多くのことを吸収することができました。以下、1日目の報告をさせて頂きます。


1.地域力「パワーアップ」研修 (10:30~18:30)
講師:川北秀人氏(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所])
板持周治氏(雲南市 政策企画部地域振興課 統括主幹)

◇自分の住む地域の10年後、30年後
 まず、講師の川北さんからいくつか自治体のこれまでの人口(高齢者、後期高齢者、若年層)推移と今後の推定のデータを見せて頂きました。このデータを同じ市内の他地域との間で比較してみると、「自分の町は隣の大きい町の10年後の姿である」など、自分の住む地域の現状をより理解できます。これを住民に提示することが、自分たちの地域の将来について真剣に考える契機となります。

◇「小規模多機能自治」とはどのようなものか
 小規模多機能自治とは(市町村合併などによる)行政機能の集約化を補う、各地域のニーズに合った地域づくりの総称です。雲南市は平成16年の合併を機に各地区で地域自主組織を編成し、従来の集落の自治会を超えて様々な年代の住民が自分たちの地域課題に取り組む仕組みを整えました。また年2回、各地域の取り組みを発表する「自慢大会」を市役所で行い、おおむね地域自主組織が順調に運用され、地域の活性化に寄与しています。

◇まず、何をすべきか
①自分たちの地域の人口、状況がどのように推移し、10年後、30年後どうなるかをデータで把握する。
②地域で行われている行事・イベントの仕分けを行う。
これを通して地域の現状を自分たちのこととしてとらえ、行事型から課題解決事業型の運営にシフトする。
 


2.雲南ゼミ・サテライト(19:00~20:45)
  講師2名に加え、ゲスト
   阿部典子氏(NPO法人みんなの集落研究所 主席研究員)
   中曽まゆみ氏(宇治地域まちづくり推進委員会)

◇岡山県内での取り組み
 ①高梁市宇治地区
   定住・生活基盤の確保・行事仕分けを柱とした「宇治の明日を考える会」を設立
   行事仕分け…行事ごとに人的コストや評価(5点満点)などをまとめる
   若者や女性参画へのアプローチ
②津山市知和地区
  NPO法人スマイル・ちわ…便利屋、ふれあいマーケットなど4事業
③赤磐市仁美地区
  まちづくり夢百笑運営協議会


 1日たいへん密度の濃い時間で、文字に起こすと書ききれないほどのことを学ばせて頂きました。
私個人としては雲南市の小規模多機能自治の取り組みがステージ1(地域自主組織の結成)からステージ2(活動基盤の強化)、ステージ3(新しい公共の創出)へと発展していることに驚きました。小規模多機能自治は住民自治を発展させる仕組みですが、行政の主導があることで継続的に機能する取り組みであるという印象を受けました。雲南市では他の自治体と協議して地域自主組織の法人格創設を提案するなど現状の改善を行うスピードが速く、行政の対応の早さがこの発展を生んでいるのだなと感じました。
夜には岡山県の小規模多機能自治の取り組みを学び、地域の取り組みを見直す中でまず今後自分たちの地域がどうなるかをデータで把握すること、現在行われている行事を見直すことがたいへん重要であるという小規模多機能自治の考えの重要さを再確認しました。

今回中国5県で自治や地域活性化に携わる方々と交流できたことで、より刺激しあえる研修になりました。こういった研修が定期的に開かれ、各県の自治体レベルで進展していくことを望みます。以上で報告を終わります。

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