Social Good School !!  「Good」をもっと知ろう! イベントレポート

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Tatsuya Ishihara

Social Good School !! の最後の場面。

「Social Good !」って、知ってますか?



直訳すると「社会に良いこと」。
社会課題の解決や社会をよい方向に動かすための取り組みをアメリカではこのようび呼ぶ動きが広がってきているようです。

その流れは、日本にも広がってきていますが、だんだんと広く「社会課題を解決する取り組み」から、「社会的課題をソーシャルとITの力によって解決する取り組み」に限定して使われている例が増えてきています。

そうした「Social Good !」の動きや、「Social Good !」なウェブサービスを学ぶためのイベントが2012年の10月と2013年の2月に岡山で開催されました。
その様子をレポートします。



Social Good ! Forum ~ソーシャルグッドの潮流



まず開催されたのは、「Social Good ! Forum」。こちらは、みんなでつくる財団おかやまの設立記念も兼ねて開催されました。

フォーラムでは基調講演とパネルディスカッションが行われ、最初に株式会社ソーシャルカンパニーの代表で、ソーシャルメディア・コンサルタントの市川 裕康さんより「ソーシャルグッドの潮流。社会はどう動いているのか?」と題した講演が行われました。

市川さんは、2010 年より講談社ウェブニュースサイト「現代ビジネス」において「ソーシャルビジネス最前線」、「デジタル・キュレーション」と題したコラムを連載されており、主に海外におけるソーシャルメディアを活用した社会課題解決の事例等をレポートされています。
また、それらの事例をまとめられた著書「Social Good 小事典」も発行されており、当日はその中からいくつかの事例が紹介されました。

例えば、「change.org」というウェブサイトではインターネット上で署名を集め、提案を行うことができます。例えば、なでしこジャパンと男子サッカーチームの飛行機の搭乗クラスが違うこと、例えば、日本のバイオリニストのバイオリンがフランクフルト空港税関で押収されたことなど、「なにかがおかしい」ということがすぐに共有され、具体的な行動が生み出されています。

その他にも、震災が起きた後のレスキューコーディネート、ボランティアのスキル登録サイト(「sinsai.info」など)や、ソーシャルファイナンス(オンライン上での少額融資)やクラウドファンディング(オンライン上での資金提供・寄付)などが紹介されました。

【市川 裕康さん (株式会社ソーシャルカンパニー 代表)】
1970年静岡県浜松市生まれ。1994年同志社大学法学部政治学科卒業。1996年同志社大学新島奨学生としてアマースト大学を卒業。2010年ソーシャルカンパニーを設立。ソーシャルメディア・コンサルタントとして、ソーシャルメディアを活用したビジネス支援、公共分野での利活用の推進に関する調査、講演、コンサルティング等に取り組んでいる。世界50都市以上に拠点を持つ米国非営利団体「ネットスクエアード」の東京代表も務める。





続けて、「社会を変えるあたらしい仕組み・つながり・寄付のチカラ」をテーマにしたパネルディスカッションが以下のメンバーで開催されました。

●パネリスト
・吉田 大助さん(株式会社 ビザビ 代表取締役社長)
・裾分 守さん(玉島信用金庫 理事・地域創造部長)
・桑原 真琴さん(瀬戸内市 副市長)
・宮本 紀子さん(生活協同組合 おかやまコープ 全体理事)
・小阪 亘さん(公益財団法人 みらいファンド沖縄 代表理事)

○コーディネーター
・石田 篤史さん  (一般財団法人 みんなでつくる財団おかやま 代表理事)

ディスカッションでは、それぞれの立場から、「これからの岡山」「それぞれが考える、地域の課題解決を阻む閉塞感」「寄付の可能性」「つながる仕組みの可能性」が語られました。

フォーラム全体としては、「Social Good !」という言葉の意味と、様々な立場にある人がつながりあい、これからの地域を考えていくことの可能性が共有された会でした。




Social Good School !! ~社会をよい方向に動かす方法を学ぶ1日学校



そして、より実践的な「Social Good」なサービスや取り組みを知る機会として、今度は「学校」が岡山市内の「蔭凉寺」というお寺で開催されました。

お寺とソーシャルメディアという、一見、真逆な要素が入り混じり、お寺の行動に老若男女が集まって、プロジェクタに映し出されるプレゼンテーションに見入るというこの企画。
結果としては約100人の参加者を迎えて大盛況でした。

学校の講師陣は、社会を動かす取り組みを実践しているソーシャルグッドな若手プレイヤー5名。いずれも20代~30代で、大手の外資系コンサルタント会社を経て起業をされた方や大手金融会社に勤めながら取り組みを展開されています。


「授業」は3つのセッションで構成されており、以下のスケジュールで展開しました。

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■第1セッション「Resources 資源をあつめる。人とお金。」
ちょっといい世の中のために、人とお金を集めたら、どんなことが実現できるか?

*人を集める。 CollaVolの時間と場所を乗り越えて動く方法
ソーシャルボランティアプラットホーム「CollaVol」
代表 渡邉亜紀さん

*お金を集める。 0から始めるmotion galleryでの資金調達方法
クラウドファンディングサイト「motion gallery」
代表 大高健志さん


■第2セッション「Finance これからのお金について、ちょっと真面目に考える。」

*「ソーシャルファイナンス革命 ~世界を変えるお金の集め方」
ソーシャルファイナンス革命・著者
Living in peace 代表
慎 泰俊さん
     

■第3セッション「Voice 声をあつめる。アイディアと賛同。」
ちょっといい世の中のために、アイディアや声を集めたら、どんなことが実現できるか?

*グッドアイデア厳選マガジンgreenzのトリセツ
あなたの暮らしと世界を変えるグッドアイデア厳選マガジン「greenz.jp」
フクヘン 小野裕之さん

*change.orgではじめる、社会の変え方
「変えたい」を形にする ソーシャルプラットフォーム「change.org」
日本キャンペーン担当 ハリス鈴木絵美さん

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それぞれのセッション毎にゲストのプレゼンテーションを聴き、今回、ゲストと参加者のコミュニケーションツールとして用意したスケッチブックに質問を書いてやりとりをさせていただくというアナログも交えた形で進行しました。
司会進行や演出・記録などには、NPO法人 ENNOVA OKAYAMAさんのご協力をいただき、わたくし不肖・石原も「校長」に扮装して司会を務めさせていただきました。
 

そして、お昼ご飯には、有機生活マーケット「いち」さんのプロデュースによる岡山県内の中山間地域の産品を使ったランチをいただきました。
野菜もお肉もおばあちゃんの油揚げも絶品でした。


プレゼンテーションを伺った5つは、いずれのサービス・取り組みも魅力的なだけではなく、それに取り組むゲストの皆さんも本当に魅力的でした。

今回のコンセプトの一つが「社会課題の解決や社会をよい方向に動かすことに興味はあるんだけど…じゃあ実際に個人レベルや小規模で社会貢献参加するにはどうしたらいいの?」という人に、「自分の空き時間で社会参加をすることができる」方法を提案する事でしたが、「CollaVol」での在宅でのボランティア参加や「motion gallery」での寄付参加、「change.org」での「賛成!」を表明するアクションは空き時間で、一人でも参加できるものでした。
また、仲間と新しい取り組みを始めたい!という場合にも、「greenz.jp」で情報を集め、「CollaVol」で仲間を集め、「motion gallery」で資金を集めれば、プロジェクトを本格的に動かしていけれると思います。

あらためて、可能性を感じる一日でした。



最後は、この写真のように「Social Good School!!はどうでしたか?」の問いに対して、たくさんの「Good!」が!という大団円でした。

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