「Gift」第1期長期プログラム報告会の様子
プロボノとは、今までの “労働力を提供するボランティア” とは異なり、様々な分野のプロが自分たちの専門的なスキルをNPOやNGOなどの社会活動に取り組む団体に無償で提供しサポートする、
新しいタイプの社会貢献(ボランティア)のスタイルです。
全国でプロボノに関する高い支援力と実績を持つ「
NPO法人サービスグラント」よりプログラム実施に対するご指導をいただきながら、活動上のさまざまな課題を抱えるNPOに対し、プロボノの高い支援スキルを提供するプログラムを実施しました。
2011年度は実際にプロボノとして活動する「プロボノワーカー」を養成する講座を開催し、2012年度は実際にNPOに対する支援を実施しました。
①プロボノプログラムの実施
1.長期プログラム
2012年7月から2013年3月において、3つのNPO法人を対象に支援プログラムを実施しました。
開発途上国における社会教育の推進活動等を行う「
AMDA社会開発機構」に対しては、パンフレットリニューアル支援を。
地域における犯罪被害者の支援、また被害者への理解推進のための活動等を行う
「
おかやま犯罪被害者サポート・ファミリーズ」に対し、ウェブサイトリニューアル支援を。
子どもたちの生活文化環境づくり等の活動を行う「
岡山市子どもセンター」に対し、ウェブサイトリニューアル支援を。
それぞれ、ワーカーによるチームを結成して活動にあたりました。
その、支援成果の一例をご紹介します。
岡山市子どもセンターでは、
「サイトが見づらく、情報を掲載しても会員の増加や寄付金の獲得につながっていない」という課題を抱えていました。
この悩みを受け、プロボノチームでは、まず課題の背景、そしてWEBサイト改修の目的を整理しました。
・ホームページの見た目をよくするだけで、会員の獲得につながるのか。
・「芸術鑑賞会」というイベントが、子どもセンターの目指す『子どもの健全な育成』につながっているということをどのように説明するか。
・理念と活動、どちらに重点を置いたホームページにするのか。
様々な問いを繰り返しながら、NPOスタッフ・プロボノワーカー・そして事務局が一緒になって作業を進めていきました。
何度も打ち合わせを重ねた結果、今回の支援の中では『活動内容を伝えるページを充実させることで、団体そのものへの共感や支援を引き出す』ことを目的として改装を行いました。
<プロボノ支援前のサイト>
<プロボノ支援後のサイト>
岡山市子どもセンターが大切にしている活動のひとつ、「芸術鑑賞会」。トップページからプログラム紹介へのアクセスをしやすくするとともに、鑑賞会の意義や今後の公演プログラム一覧を掲載し、誰もがわかりやすページ配置となりました。
そしてページトップには、舞台をじっと見つめる子どもたちの写真。
ホームページを訪れた人にとって、芸術鑑賞会の魅力が直感的に伝わるデザインになりました。
2.短期プログラム
一団体に対しじっくりと時間をかけて支援を行う「長期プロボノ」と並行して、専門家が1日だけ、その職能を活かした活動を行う「短期プロボノ」を実施しました。
毎年2月22日に制定されている「行政書士記念日」、そして翌2月23日の「税理士記念日」において、行政書士・税理士の先生方による“1日ボランティア”
『記念日プロボノ』として実施しました。
当日は個別相談としてブースを設け、この機会にと集まったNPO計6団体から、書類作成や収益事業の処理などについて質問が寄せられました。
ボランティアであっても普段と変わりなく、真摯に対応するワーカーの先生方に、「記念日プロボノ」の今後の普及と継続が期待された企画となりました。
②プロボノ運営の仕組みづくり
NPO法人サービスグラントに調査員を派遣し、プロボノプログラムの運営ノウハウを学び、岡山県内において継続的に運営するための仕組み化を行いました。
③プロボノの成果公表
これらのプロボノ支援事業での成果を広く発信し、また次年度以降も継続して支援を行っていくための報告会を開催しました。
「成果物を仕上げるだけでなく、団体のことを理解して取り組んでくれたことが何よりうれしかった」とNPOスタッフが感想を述べれば、
「みなさん活動への思いが強すぎて、まとめるのが大変でしたよ!」とワーカーがからかうように返す。
長期間の支援を通じて、NPOとワーカーの間に深い信頼関係が生まれていることを印象付けるような報告会となりました。
これからの、岡山のプロボノ
岡山NPOセンターでは、これらのプロボノプロジェクトを総称して
『Gift(ギフト)』と名付けています。
私たちの暮らしの中には、誕生日やクリスマス、お歳暮など、家族や友人など大切な人への想いを伝えたり、日頃の感謝の気持ちを届けるための 「贈りもの」 をし合う素敵な習慣があります。
そしてそれは、暮らしの中での社会とのついながりや人との関わりにも大いに効果を発揮したり、誰かに喜んでもらうことが、思わぬ自分の喜びとなったり、誰かのお役に立ったり。「贈りもの」には、そんな気持ちの伝達を生む効果もあると考えています。
「幸せ」 の概念は人それぞれですが、私たちの暮らしを取り巻く様々な社会課題のひとつひとつが解決の道を見つけられることでそれぞれの 「幸せ」 に一歩ずつつながっていく。
そうなるための新しい仕組みとして、「Gift」 はその潤滑油になりたいと考えています。
2013年度からは
岡山県ボランティア・NPO活動支援センター(通称:ゆうあいセンター)へ、その仕組みを引き継いでいます。
「私にも何かできるかもしれない」
そう思われた方はぜひ、扉を開いてみませんか。
プロボノプロジェクト『Gift』専用サイト
https://sites.google.com/site/probonogift/