持続可能な社会を考える 「中高校生の探求学習が地域を変える」

活動・取り組みその他

こんにちは、ゆうあいセンターSDGs&CSR相談員 小桐です。
2024年1月1日に発生した能登半島地震で犠牲となられた皆様には、心よりお悔やみを申し上げます。被災された皆様には、お見舞い申し上げます。公共インフラの復旧と共に必要な支援が届き、一日も早く復興されることを祈念します。
今回は、2023年12月26日に初めて開催された「高校生探求フォーラム2023」の報告をベースに探求学習で中学生・高校生たちがどのような学びを行い、地域と関わりながら視野を広げているかについて、ご紹介します。
今回参加した学校は、県内公立高校45校、中学3校、高校は私学の参加は残念ながらありませんでした。また、1校で2チームの発表があった高校が15校でした。学校代表による発表という形であるため、実際は数倍以上のテーマで生徒たちは、探求学習に取り組んでいるということです。
ある校長先生によると、フォーラムに参加できていない学校の探求学習のボトムアップが今後の課題ということでした。今回は、高校魅力化推進室が窓口となって開催されました。今後、生徒数が少なくなる中、探求学習と高校の魅力化は切っても切れない関係にあり、さらに地域によっては、生徒数確保・地域の学びの拠点としての存廃につながる重要な要素でもあるようです。
※岡山県立高の再編(統廃合)では、1年生が一定数に満たない高校を統廃合や募集停止の対象とする県教委の基準があります。現時点で真庭(真庭市)御津(岡山市)笠岡工業(笠岡市)の3校が該当しています。いずれも基準日となる今月1日時点で1年生の在籍数が100人に達しておらず、2024年度も同じ状況が続いた場合は統廃合の対象となるとのことです。
また、新見市では、芸備線の存続に関して、今後再構築協議会が設置されることが決まっており、今後の動向では、生徒の通学に関しての問題も内在しています。
さて、今回の探求学習のフォーラムの発表テーマを以下のように分類してみました。
① 自地域の持続可能性について考え貢献しようとするテーマが29件 
・直接地域課題について考え、提案しているものが4件、他に子育て、外国人の受け入れ(ダイバーシティ)、地域の子供食堂の重要性の紹介などがあります。
・地域の活性化を考えたテーマが20件と一番多く、新たな地域資源を生かした商品開発に関するものが7件(クラフトコーラ、香水、放置竹林の竹を活用、果樹のアップサイクル、地元特産くさぎ菜利用など)この中には、ふるさと納税に関する提案も2件ありました。
・地域の観光資源を生かした活性化案が6 廃校を活用した案やクルーズ・バスツアーなど、地域のイベントに協力をして活性化に貢献したテーマが3件、直接地域のプロモーションを行ったものが4件、そのほか地域の交通・移動に関するテーマや地域環境課題に着目して、アマモ場の再生や水質環境改善、学校周辺の生物多様性と清掃の有機的な連携を行ったものなどがあります。
② 学校自体の魅力を向上させるためのテーマが11件、授業の魅力化やIT機器を活用した授業形態の提案、小学生向けの授業プログラムや中学生に向けての魅力発信などの内容があります。校則の見直しに関するテーマもありました。
③ 社会課題解決や地元での社会貢献に関するテーマが、23件。SDGsのテーマとリンクしてまとめると
1貧困テーマが1件、3健康と福祉が7件。小児用点滴パジャマの製作、かかりつけ医を持つ若い人を増やそう、高齢者に関して音楽を用いた高齢者のためのセラピーなどがあります。10国内外の不平等を是正では、LGBTに関する取り組みが2件、12持続可能な生産消費形態の確保では、2022年のおかやまSDGsアワードで表彰された「コノヒトカン」でフードロスを勉強しようと活動し、矢掛中学校内にフードロス削減啓発のための展示スペースを設けた例もあります。14海洋汚染を解決するための油除去や15野生生物が生息している環境を守る活動などもあります。地元での社会貢献活動が4件あり、池田動物園内の施設修繕や地産・地消の商品、フェアトレード商品、ネイチャーポジティブな食材などSDGs、フード・ダイバーシティの販売や紹介をした取組みもあります。その他、組子および林業を軸にした地域連携学習やAI技術による物体検出という専門的なテーマもありました。 
中学3校のテーマは、ワーク&ライフ職場体験 ~令和型 職業体験を通したPBL学習~、「高梁未来学」で地域を学習のフィールドとし、地域と協働して地域の未来と自分の将来・生き方について考える、早島町魅力UP 大作戦 職場体験活動を通して早島の魅力を再発見し、事業所の依頼に沿った新しい商品やサービスの企画を考案 といった取り組みがありました。
それぞれに自分たちの関心があるテーマについて、考え、調べ、体験し、製作したり、製造したりしてこれまでにない経験を積んでいます。これからのさらなる発展や上積みを期待したいと思います。
参加中学・高校の発表動画やポスター発表の資料は以下のサイトからご覧いただけます。
午前の部に発表した学校、午後の部に発表した学校に分けてデータがアップされています。ここで紹介したような分類ではありませんのでご注意ください。未来の岡山に期待です。
https://www.okayama-tankyu.jp/

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