「SDGsネットワークおかやま 最近の活動紹介 その1」

活動・取り組みまち・むら

こんにちは、ゆうあいセンター CSR担当の小桐です。
今回は、市民の連携により、岡山でSDGsの実現を目指して活動する「SDGsネットワークおかやま」が実施した直近イベント2件を紹介します。

その1は、2019年10月17日に山陽新聞社 会議室で行われた 「第3回山陽新聞社140周年地域づくり連続シンポジウム・事前ワークショップ」のご報告です。既に山陽新聞社のサンデジでも紹介されていますが、
その記事に付け加えて内容をご紹介します。
山陽新聞の連続5回シンポジウムの3回目「お金を地域内で回すには」の前に事前ワークショップが開催され、主催者も含め40名が参加しました。11月11日に開催されるシンポジウムの内容を当日の質問を通して深めるために行いました。
最初に同事業の担当、山陽新聞 岡山さんから第3回目のシンポジウムの主旨を説明していただきました。
中国銀行がこれまでの事業からスタンスを変え、地域でお金をまわして、地域を活性化させようとしている。11月のシンポジウムではゲスト迎える新頭取にお話が聞ければと考えている。基調講演には、ローカルサミット事務総長 吉澤 保幸氏を迎え各地での事例などのお話を伺う。ローカルから温かいお金の流れをつくろうがテーマ。
続いて、SDGsネットワークおかやま石原会長より、新しいお金の流れ」についての情報提供がありました。
社会事業に関するお金の流れの種類の概略を解説後、岡山でのコミュニティ財団みんつくの活動やSIBによるおかやまケンコー大作戦の紹介をしました。

社会事業のお金の流れとして、金融機関による融資、投資家による社会的投資(SIB)、寄付、不特定多数個人によるクラウドファンディングなどがあります。
みんなでつくる財団おかやま 通称「みんつく」は、はコミュニティ財団で、個々の一人一人からの寄付4,133千円をもとに設立した「みんなの何とかしたいをカタチにする」市民コミュニティ財団。特徴は、だれでもお金を出すことができる。民間の資金循環と活用の機能があり、色々なプロジェクトへお金を出すことができる。さらに、素早く支援ができる。というものです。

昨年7月の西日本豪雨災害では、同財団が災害支援のためのももたろう基金を立ち上げた4800万のお金が集まった。随時被災地支援を行い、67のプロジェクトに3550万円を提供出来た。行政よりスピード感を持って動いた成果。

次に、社会的投資・SIBについて説明を行いました。SIBとは、行政サービスを民間のNPOや企業に委託し、民間の資金提供者から調達した資金を基に事業を行い、事業が予め合意した成果を達成した場合にのみ行政から資金提供者に報酬が支払われる。行政と事業者による成果連動型支払と民間資金活用を組み合わせたスキームで、成果連動型委託契約の手法の一つ。

地元岡山で行われている「おかやまケンコー大作戦」はおかやまのまちを健康にするプロジェクトで、岡山市内在住の35歳以上の方なら、どなたでも無料で登録可能で、健康に関する活動や食事などをすることでポイントがたまり、健康と同時に賞品を手に入れる事が出来るものです。3年間で15000人の参加を目標に、健康な体や食事習慣、健康に関する習慣を身に着け様とするものです。その成果に応じて岡山市からも事業費が支払われます。
その次に、山陽新聞社綾野さんより、山陽新聞社、中国銀行、岡山経済同友会などで行われている。
「晴れ!フレ!岡山」の説明がありました。岡山地域密着型のクラウドファンディングサービスで、岡山の誰かがやりたいことを、 岡山のみんなで 「フレ!フレ!」と応援する場所。 中国銀行と山陽新聞社が クラウドファンディングの Readyforと手を結び、 県内のパートナーと共に 岡山を盛り上げていくと言うものです。

地方のお金の流れについての情報提供について、グループに分かれ、感想を共有しました。その後、クラウドファンディング、社会的投資、SIBを使ってどんなことができそうか? 個人毎に思いつくアイデアを記入しフリップ戦ションを行いました。出てきた意見として、ソーシャルインパクトボンドを使って、岡山県内の不登校・ニート・ひきこもりの人数をマイナスに転換させる事業、クラウドファウンディングを使って不登校からの起業家養成→不登校・高校生・大学生のスタートアップ支援事業。 クラウドファウンディングを使って、倉敷・備中地区の不登校支援拠点など岡山での社会課題解決のための素晴らしい提案がありました。
当日は、実際に不登校でありながらも自立しようと努力する中学生とその指導者も参加されており、意識の高いセッションとなりました。

後半は、起業を増やす(お金を使って増やす)というテーマで、岡山大学生 伊藤彩花さんの発表からスタート。
桃太郎・桃子チャレンジ2019というタイトルで行われている授業で、「若者の企業家意識から地方創生のキーワードを探る」ということを、インタビューしまとめるものです。企業と連携して1,2年生が起業の成果を発表しています。
起業家を目指す高校生や、同じ岡山大学でSiEEDプログラムという企業家精神との手法を学んでいる経済学部2人、社会人1年目で現在の仕事とは別に、農業生産に関わる企業をしたいと考える女性、BMXの世界で活躍後、津山にUターンしてBMXに関わる起業をした男性の4組にインタビューを行いました。
大学生2人は起業の意識はないが、今のままではいけないことに気づいたや若いうちに起業していき、自分のしたいことを形にしていきたいなどそれぞれの思いは異なりますが、現状を把握しながら未来に向けての挑戦について考えを巡らせていました。
まとめとして、「お金を稼ぐことのリスクより楽し事をしていたいという意識が強い」「地元へのこだわり、人との繋がりを大切にしている」ということと、「都会:大企業:お金安定より、生活の自由度やチャレンジする充実感を大切にしている事に共通点があるとしています。指導教官からは、一年生から外に出て活動することで、これまでの意識レベル=脱高校生が図られて良い、人に会うことが勉強になる。とコメントがありました。
 
2人目の話題提供者は、11月のシンポジウムにもパネリストとして参加される(株)Orb社長 河井七美さんです。ずっと会社員で働いていて38歳で壁にぶち当たり、会社を辞めようと思って辞めてアルバイトをしていて、起業に変わっていった。こんなことをやりたいから始めた。事業内容は、インターネットを通じた商品販売。これだと思う売れるものを仕入れて、販売しながら、地元の商品を掲載。勝手に紹介するので売れたら利益が上がる。現在は、クラウドファンディングをやりたいという企業のページ制作などもしており、企業のやりたいを応援する。
自身がシングルマザーで子育てしながら仕事をしていた経験から女性社員の働きやすさ、働き方に注目していて、分給単位でお金を出している。遅刻しやすく早退しやすい形にしている。

最後のセッションとして、「もっと地域で企業をする人が増えるにはどんなことが必要か?(環境面や人材育成で)」について 各自フリップを作成しました。
・起業:不登校支援NPO法人ステップで探求型プロジェクトを行っていて、本人がやりたいことを応援する。アニメを作って社会に後援したい。アニメーションCMを高卒括りで作成。

・ベンチャー教育を応援するときに、人材育成についての話し。
・学校教育での進路指導の見直し。30年前から変わっていない。教育庁でも考えられているが個々の学校への変化が促される最中にある。
・SDGsのネットワークができて2030年に進むうちにinnovationが必要。教育は小学校や中学校から必要。義務教育はなかなか変わらない。関係性と想像力が大事だと感じている。
・ソーシャルビジネスやコミュニティビジネスなど各種あるが、学生にとってリスクの少ないようなビジネスコンペがあれば進めやすい。
・社会問題など、ビジネスで出てくると良い。社会問題の掘り起こしがビジネスにつながれば広がっていくと感じるなどの意見が出されました。
SDGsネットワークおかやまの定例会の分科会として開催された、今回のワークショップの成果が、11月11日のシンポジウムで、お金と地域と人のつながりについて繋がることが期待されます。

シンポジウムのパネリストは以下の方々です。加藤 貞則氏中国銀行頭取、丸尾 宜史氏レプタイル社長
丸尾 宜史氏河井 七美氏Orb(オーブ)社長、吉澤 保幸氏ローカルサミット事務総長
モデレーターとして、SDGsネットワークおかやま会長 石原 達也氏、岡山 一郎山陽新聞社編集委員室長
が参加します。
申込先https://c.sanyonews.jp/release/2019/10/20191018180000.html

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