岡山初 ISO26000に準拠したCSRレポート発行される
活動・取り組みその他
こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
前回は、ゆうあいセンターで整備を進めているCSR図書コーナーの紹介をしましたが、今回は
新着情報として、岡山で初めて、地元企業によって発行されたISO26000に準拠したCSRレポートの紹介です。
これまでに、地元岡山に本社がある様々な業種の企業が、CSRレポートや環境報告書、WEBサイト(ホームページ等)でのCSR情報などのタイトルで自社の取り組みについて、情報開示をされています。
「CSRレポート」という名称では、ストライプインターナショナル、トンボなどが発行されており、
株式会社マルイ、おかやまコープレポートなどCSRという名称は使っていないものの、「社会・環境活動報告書」「おかやまコープレポート」など独自の名称で活動を報告されている企業もあります。
また、WEBサイトでは、中国銀行、トマト銀行などの金融機関をはじめ、株式会社滝澤鉄工所などがCSR情報やCSRの取り組みなどで自社の事業形態にあわせて、情報を開示されている企業がいくつもあります。また、環境省が推進するエコアクション21という環境マネジメントシステムに取り組む企業は、「環境レポート」の作成、公表が義務付けられていて、自社のホームページや環境省のエコアクション21のサイトで環境に関する企業の取り組みを確認することが出来ます。岡山県内では98社が取り組みをされています。
そんな中、地元のマスカット薬局が、1月初旬にマスカット薬局CSRレポートを発行されました。
岡山県内で13店舗を営まれる同社は、社員数 89名、年商26億円と決して大きな規模ではありませんが、地元の中小企業で初めて 国際規格ISO26000という全ての団体に適用可能な「組織の社会的責任(対応)に関するガイドライン」に則っており、ある意味画期的です。
大企業はすでに、ISO26000に準拠した構成や、SDGsと自社の課題の関わりなどを明らかにしている所が多いのですが、地元岡山では、まだそのような事例は有りません。
ISO26000とは企業だけでなく、全ての組織が取り組める「社会的責任・対応に関するガイドライン」です。この規格は、組織及び社会の持続可能性に関するもので、7つの原則に基づいて、7つの中核課題に配慮して自主的に取り組む内容になっています。組織の取り組みが持続可能性を高め、その結果、社会全体が持続可能な方向に向かうように期待された手引きです。
この規格は、品質に関する国際規格ISO9000シリーズや環境に関する国際規格ISO14001などと違い、認定機関によって審査を受け活動が認定されるものではありません。
それだけに、地元企業はじめ多くの組織では取り組み数はまだ少ない現状です。
また、2015年から国連のすべての加盟国で取り組みが始まった、2030年までに解決すべき世界の共通課題SDGsは、同じく環境、社会、人間、組織の持続可能性を高めるものです。
自社の事業の発展・拡大に直接関係する面も多々あり、今後取り組む企業が増えると思われます。
それだけに企業体質として、ISO26000に取り組んで事業や体制を常にチェックしておくと社会的信頼がさらに高まります。
この事をいち早く理解されたマスカット薬局は、任意団体CSR報告書を読む会のサポートを受け、
自社の活動をISO26000に基づいて、点検し、整理されました。ゆうあいセンターCSR相談窓口も利用され、社内の勉強会なども開催され、社内へCSRの意義を浸透させていかれました。
薬局業界では、全国チェーンのココカラファインがCSRレポートを発行されていますが、その他は見られません。今後の医療制度改革の影響を予測し、企業として生き残るためには、自社のドメインをより明確にし、ISO26000の取り組みを行い、持続可能な経営を高める必要があることをトップが認識された結果であろうと思われます。
同社のホームページや、ゆうあいセンターのCSRレポートコーナーでもレポートをご覧いただけます。是非一度ご覧ください。
また、このレポートの制作背景や企業の思い、取り組みについて今後勉強会を開催予定です。
日程等が決定したらゆうあいセンターより広報をしますのでご期待ください。

