企業の社会的責任 環境と健康について4~消費の在り方から考える~

地域課題・社会課題環境

こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
今週は、環境と食と健康について考える第4回目の情報提供です。

突然ですが、皆さんは外食する際に「マイ箸」を持って行かれていますか? マイ箸を使ったことがあるという方は、国民の30%ほどです。ほとんどの人が言葉自体は知っていますが、実際に持ち歩くには少し面倒と思う方が多いのでしょう。少ないですね。
最近では、使い捨ての「割りばし」から「維持コストの安い」塗箸へとシフトする外食のお店が増えていることもあり、マイ箸は少し停滞気味かもしれません。

日本人全体では、「割り箸」はどれくらい使われているでしょうか?実は年間250億膳~290億膳と推定されています。国民一人が200膳以上使う計算です。
コンビニやスーパーマーケットでお弁当や惣菜を買うと付けてくれる割り箸は、どこで作られているのでしょう?

日本で使用される割箸は、国産のものが3%程度、残りの97%は輸入で、その99%が
中国産です。中国でも、吉林省産の木を使ったものが多く、朝鮮半島の根元の渤海湾にそそぐ、遼江流域の木が使われています。この遼江には世界でも有数の芦原が広がっていて、有機物の吸収源として知られています。
しかし、山林の木の伐採がひどく、山ははげ山状態となっていて、本来、山の草や樹木、芦原で吸収する養分が吸収しきれずに海に流れ込んでいます。
結果、渤海湾は富栄養化し、エチゼンクラゲと呼ばれる100kgくらいの大型クラゲの養分となり、日本海に流れてきます。
エチゼンクラゲの大発生は2002年に突然始まり、2003年以降、2005年、2006年中規模発生、2007年、2009年とほぼ隔年で大発生が起きました。その年は、日本海の漁業関係者は大きな被害を受けました。

元々、国内では、柱を取った残りの端材を使って作られていた割り箸ですが、現在中国では、100%割り箸を作る目的で、伐採が行われています。日本の森林率は68%、一方中国の森林率は17%と極端に少ない状態です。
その影響で砂漠化が進み、黄砂現象で目の痒みなどの被害を受ける日本人は増えています。一般的には国土に30%の森林が無いと国土が砂漠化されると言われており、環境面では大変な悪影響が生じています。

中国産の箸が作られるのは、そのコストの安さ故です。1膳が3円ほどの国産割り箸に比べ、1円ほどと安く、シラカバやポプラなどが使われています。
日本に輸入される際には、水溶性の漂白剤、防腐剤などが添加されており、汁物につけると流れ出し、結果体内吸収されるという健康にも好ましくない状況が発生します。
お店がコスト削減するために使う中国の割箸で、顧客は体を悪くする可能性があるということです。知らないうちに人の健康より自分の儲けが優先された形です。

既に、この事実を認識した飲食店やチェーン店では、塗り箸に変更をしています。初期投資に費用が掛かる塗り箸ですが、顧客の健康の安全と洗う水道代の差額で結果的には、安くつくのです。

一方、国産の割箸は、スギ、ヒノキが原料となっていて柱を端材や間伐材を利用して作られます。また、木自体に殺菌効果もあるので漂白剤や防腐材は使われていません。
国産割り箸の利用は、日本の林業の活性化や丁度伐採適期を迎えて花粉を多くまき散らす花粉症の減少にもつながります。 
同じ割箸でもこんなに「環境」と「健康」に差があるのです。岡山では、西粟倉村がスギの間伐材で割り箸を創っており、イオン岡山等でも販売しています。

国産割り箸が手に入らない方には、せめてマイ箸をお使いになることをお勧めします。
地球環境保全、自分の健康をまもるためにマイ箸を使われるべきです。特に小さなお子様のおられる家庭は早急にご利用を開始する事をお勧めします。

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