持続可能な社会を考える 「第9回おかやま環境教育ミーティング 報告」

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今日は、こんにちは、ゆうあいセンターSDGs&CSR相談員 小桐です。お盆が終り、コロナウイルス感染がどんどん広がり、間もなく始まる学校の新学期に向けて落ち着かない現状です。
今回は、8月初旬に三密を避けて対面で行われた「第9回おかやま環境教育ミーティング」についてご紹介します。今回も実行委員と分科会進行役として参加しました。

2022年 8月5日 岡山コンベンションセンター にて第9回おかやま環境教育ミーティングが3年ぶりに 対面開催されました。昨年度実施したWEB開催の魅力・効果を感じながらも対面開催の大切さを共有し、5月に今年度の実行委員会がスタートしました。コロナ感染の状況を確認し、感染防止策に配慮しながら、今年度の企画・内容に関して検討を重ねました。SDGsの取り組みと環境教育のつながりをより強く打ち出すことも分科会で実施する方向が確認されました。

3年前までは、250人規模でしたが、参加募集を半分程度に絞ることとしました。また、ブース出展を復活させて、前回50超の出展を半分以下26団体に絞って密を避け、1m以上の会話距離を取って午前中に開催し、午後は分科会を9箇所に減らして120分、60分×2回で行う形式としました。

最終参加者は150名規模となりました。ブース出展は、中学・高校が8校、企業関係4、行政関係2、国際活動2、エネルギー関係1、地域での環境啓蒙活動4、防災関係1、ボランティア関係1となりました。
3年前の50超の出展と比較すると企業関係の出展が大きく減ったことが目につきました。

ブース出展では、中高生の研究や活動の発表の場として大きな役割を果たしています。一方企業連携などによって新たな出会いやマッチングのきっかけとなる場としては、少し物足りないものとなりましたが、感染防止対策という優先課題のためには致し方ないことであったと思われます。

午後の分科会では、気候変動及びその対応である脱炭素の向けた取り組みを考える分科会が3。フードロスと貧困救済が1。SDGsの推進についてが1、パートナーシップで行う学校の環境教育についてが1。私達の生活を支える自然、その基本である森林・樹木や田んぼ・畑をテーマにしたものが2。身につける衣服 ファッションを通してSDGsを考える1という構成でした。 

今回は、小職がおかやまエコサポーターズの立場で企画した分科会「SDGsを身近なファッションを通して考えよう。 人と地球にやさしい服選びって?」について紹介します。これまでも持続可能なファッションについて、このソーシャルグッドおかやまでは書いていますので、出来るだけ重複は避け、新しい情報をご紹介します。同分科会では、小職含め3団体4名の講師が話題提供を行いました。

おかやまエコサポーターズの話題提供は、
1. 環境省もファッションが世界第2位の環境負荷産業であることを認識し、「サステナブルファッション」というサイトを開いていて、個人でも環境負荷行動を低減する様に5つのカテゴリーで情報提供を行っています。(https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/index.html)
「ファッションと環境の現状」では、ファッション作業の特徴や環境負荷のデータを紹介、サステナブルファッションへの関心の度合い、ファッションと環境へのアクションとして、今から自分で取り組めることの紹介や若い人とたちに情報をシェアして貰い、情報と行動を共有してもらう「シェアイメージ」

2. 簡単にファッションの環境負荷データを紹介します。
・日本で販売されている服の98%は海外で生産されている。
・世界の温室効果ガスの10%を排出 1着あたりの換算では、25.5kgそして、世界の排水の20%を排出。1着あたりでは、2300L:風呂約11杯に相当する水を使っている。 
・国内でも毎年大量に捨てられる衣類 毎年50万8千トン(10億~30億着)に相当。新品の生産数は年間40億着。2018年に国内に出回った衣料品約29億点のうち、15億点が売れ残り、ブランドイメージ維持のため新品のまま廃棄された。 
・棄てられた服の再資源化は5% 残り95%は焼却・埋め立て。
・Tシャツ1デザイン2万枚生産するアパレルでは、6000枚破棄を前提の生産
・衣服の原料のコットンは様々な問題を抱えている⇒児童労働(綿花栽培を中心にインドだけで40万人)、
⇒農薬・化学肥料による土壌汚染、健康被害(インドなどでは井戸水が飲料水、畑にまいた農薬などが地中にしみこみそれを飲むことになる、素手で農薬に触れることもある。綿花畑=世界の耕地面積の2.5%、綿花の農薬=全世界の量の10%、殺虫剤使用=全世界の16%
⇒GMO(遺伝子組み換え)種子を栽培する生産者は毎年購入義務、うまくいかず借金で自殺するケースも多い。15年間で25万人もの農業従事者が借金苦から自殺、1年間に1万人以上の自殺者がいる現状。借金の方に子供が売られて児童労働させられる事実がある。
・児童労働に関しては、インドとガーナで児童労働の撲滅を目指して活動する日本のNPO法人ACEが現地で子供たちにインタビューした映像を紹介しました。 

3.続いて、サステナブルそしてエシカル(倫理的な)ファッションについての9のキーワードを紹介し、関係するSDGsの目標を見てもらい、地元岡山や国内での取り組み事例を紹介しました。
① フェアトレード:対等で正当な貿易:目標1貧困、16公正、17パートナーシップ
② オーガニック:化学肥料、農薬など不使用:目標1貧困、3健康、6安全な水、8働き甲斐
③ アップサイクル:元の商品ベースに新たな価値を付加:目標12作る責任、13気候変動
④ サステナブルマテリアル:持続可能な原材料:目標7エネルギー、9技術革新、12作る責任、
⑤ クラフトマンシップ:ハンドメイドや製造工程に技術が生かされている:目標8働き甲斐、9技術革新
⑥ ローカルメイド:地産:目標8働き甲斐、13気候変動
⑦ アニマルフレンドリー:動物から搾取しない、動物の権利を守る:目標9技術革新
⑧ ウェイストレス(ゴミ削減のしくみ):リユース、リサイクル含めたロングライフや資源の有効利用
:目標9技術革新、12作る責任、13気候変動、17パートナーシップ
⑨ ソーシャルプロジェクト(社会的取り組み):社会課題解決のための生産、販売、リユース、リメイク、寄付活動:目標1貧困、4教育、17パートナーシップ

4.世界のファッションに関する動向を、フランス中心に紹介しました。
・2019年8月、G7サミットをきっかけに、フランス政府の呼びかけで「ファッションパクト(ファッション協定)」がスタート。欧米を中心にファッション及びテキスタイル企業32社が、気候変動、生物多様性、海洋保護の3分野で共通の具体的な目標の取り組みを誓約。21年7月末に71社のブランドが加盟、日本は、アシックス1社が 2020年12月に加盟。
・2020年2月「廃棄禁止及びサーキュラーエコノミーに関する法律(“売れ残り品廃棄禁止”法」採択。
施行は2022年1月から。売れ残った新品のアパレル製品を廃棄(焼却や埋め立て)することを禁止。
違反した場合は1万5000ユーロ(約195万円)の罰金。
・フランス政府の今後
・洗濯機にフィルターを付けることを義務付け、 マイクロプラスチックごみの川、海への流入を食い止める。家庭用250万台、業務用の洗濯機にもフィルターを付けることを義務付け。
・フランスで販売される全ての衣料に、環境や社会的な問題への影響に関する情報が含まれているタグを付けるよう、現在急ピッチで開発を進めている。
如何に、日本人の意識が低く、遅れているかを目の当たりにする取り組みです。
とは言え、江戸時代までは日本でも綿を栽培して、自分達で着物を作り、無農薬で綿が栽培されていました。全てオーガニックコットンでした。種をまき育て、服として着なくなれば燃やして灰となり。肥料として使い 循環 していたのです。

5.持続可能なファッションに取り組む 地元を中心とした取り組み事例の紹介
 詳細は下記のWEBサイトをご覧ください
◇オーガニック1:「オーガニックコットン」は、3年間農薬を使わない土地で、栽培された綿花のこと。
綿花から製品になるまでに、化学薬品をできるだけ使わないで作ったものを、「オーガニックコットン製品」 といいます。
・アバンティ(東京):オーガニックコットン衣料、無染色(茶綿・ホワイト綿使用)ベビー、メンズ、レディス、日用家庭用品類 染色による環境負荷ゼロ、顔の見える国産
https://avantijapan.co.jp/
・オーガニック2:プレオーガニックコットンプロジェクト 伊藤忠商事株式会社と株式会社kurkku alternativeの2社による共同事業。 農家が自立し、オーガニック認証を得るまでの移行期間、農家を支援する仕組みプレオーガニックコットンプログラム。数多くのブランドも参加しています。
http://www.preorganic.com/

◇アップサイクル:ベティスミス(倉敷市)ジーンズの不良品を改良して新たに1点物のエプロンなどに作り替えロスをなくして商品を製造。カスタム製品で1点物の価値創造。
https://betty.co.jp/project_cat/eco/

◇クラフトマンシップ&ローカルメイド:
①高城染工場(倉敷市):環境負荷の少ない藍染め  https://www.takashiro.info/
②豊和(倉敷市):染色・洗い加工技術  協業者で開発した化学物質を抑えた「倉敷染め」https://www.howa-net.co.jp/
③ITONAMI(倉敷市 旧エブリデニム) FUKKOKU:着古したデニム製品を原料にした糸・布で作ったジーンズ。 Fukuen:古着を染め直して永く着る、服のたね:消費者も綿花栽培し、服づくりの過程を楽しむ1年間のプロジェクト、ホステル&ショップ:ジーンズ製造に関わる職人の現場を見るツアーで服の思いを伝え、知る。 https://ito-nami.com/

◇ウェイストレス(ゴミ削減のしくみ)
①リメイク浴衣 「アクティブフリル浴衣プロジェクト」 田中朋子さん
リユース浴衣使ったユニフォーム披露 しんきんビジネス交流会通じたコラボが結実
 ㈱下電ホテルと㈱ホテルリゾート下電(美作市)はリユース浴衣を使ったスタッフユニフォームの発表会
を開いた。
https://www.sanyonews.jp/article/1260118
②リサイクル技術  帝人ECOPET PET to ポリエステル  https://ecopet.info/
       日本環境設計 BRINGプロジェクト ポリエステル to ポリエステル https://bring.org/

◇ソーシャルプロジェクト&フェアトレード
①だいじょうぶ屋(兵庫・丹波篠山市)NPO法人PUS:ネパール・バングラディシュの服飾雑貨フェアトレードと現地での教育支援(学校建設)   
https://www.facebook.com/%E3%81%A0%E3%81%84%E3%81%98%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%B6%E5%B1%8B-162676917172222/
②やさしいせいふくプロジェクト(東京)  やさしいてぃーしゃつ 
「自然」、「人」、「世界」にやさしい服づくりを目指してよりよい社会の実現を目指す学生団体、運営は中高(大)生で構成。ファストファッションが抱える社会問題や服との付き合い方を、買う側のひとが考える機会づくりも目的としています。 https://www.striketextile.org/  https://www.jeplan.co.jp/technology/

2番目の講師は、岡山市東区で築170年の古民家からまちおこしに取り組みつつ「古着やる~ぷ」を営む 代表 宇野 広大さんと店長 樋口 菜々子さん に古着を扱う思いや生地を無駄にせず、裁断縫製された袴パンツの魅力などについて語っていただきました。古着は、岡山県内の制服とカジュアルウエアの2部門を取り扱っています。
営業日:水土日 11:00-18:00
▷学生服リユース @loop_okayama_seifuku
▷古着屋 @loop_okayama_furugiya

最後の講師は、with fashion 代表 正宗 幸子さん 倉敷芸術科学大学でも教鞭をとられています。
他にもSDGsネットワークおかやまの出前講座講師としても活動されています。
ファッション産業の仕組みを川上(原料~糸~生地地製造)、川中(デザイン・縫製業・付属品)、川下(流通業)に分けてそれぞれで持続可能な取り組みをする企業を紹介から話はスタートしました。
川上では、岡山県織物染色加工協同組合が共同して取り組む“安心安全”の倉敷染め。
川中では、オーガニックコットンを使い、骨格スタイル別のパンツを提供する株式会社ラフトモ。
同社は、岡山市に立地、有害物質を含まない服の国際規格を認証取得して安全な服を提供すると
共に子どもの居場所づくりに尽力する県内の4団体に寄付を行っています。
https://laughtomo.net/
川下では、古布を使ったオリジナルデザインの服飾や雑貨のアンティークショップ 来乎舎(きやしゃ)モダン  https://www.facebook.com/kiyasha.modern/
や繊維の力で繋ぎ、持続可能なモノづくりを行う NPO法人 地域資源研究所と企業と高校・大学が連携した繊維産業による地域活性化の紹介もありました。https://okayama-ijrcr.studio.site/

最後にファッション de SDGsのテーマで自分に似合うファッションを見つけ、人生を楽しみ、かつ服を長く着るコツを紹介しました。「カラー」 自分に似合う色を見つける パーソナルカラーの見つけ方、
「素材」「デザイン」は骨格スタイルや顔のタイプによって似合うものが変わってくるということでした。女子中学生をモデルにみんなで似合う色の見つけ方を体験しました。短い時間でしたがとてもファッションの奥の深さとSDGsとのつながりを知る貴重な時間となりました。

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