持続可能な社会を考える 「地域で取り組むSDGs」
活動・取り組みまち・むら岡山市
今日は、こんにちは、ゆうあいセンターSDGs&CSR相談員 小桐です。
今回は、5月14日に岡山市立京山公民館で開催された京山地区 SDGs交流会の第1部:京山カムカムトークの発表団体の中で特に地元に密着した取り組みをされている好事例の発表がありましたのでご紹介します。 自分の住む地域でどのようなSDGsの取り組みができるのかについて参考となれば幸いです。
事例紹介者は、京山公民館区の地元に生まれて地元で働き生活されている 前田 泰史さんです。
前田さんは、養護老人ホーム 報恩積善会(北区津島笹が瀬)の事務長 、ボランティアコーディネーターとして勤務される一方で、地域での様々な活動に取り組んでおられます。「笹が瀬町内会副会長兼総務部長」「津島学区連合町内会及びスポーツ協会理事」「京山ESD絆プロジェクト委員」「2022年度市民活動支援アドバイザー」等。 地元を愛し、地元に住み、地元に貢献されていますが、活動はこれだけにとどまりません。
地域にある課題を解決しようと「つしまみんな食堂 代表」「NPO法人ジャパンハーベスト協働シェアラー」(※詳細説明は取り組み紹介の中で)としても活動されています。
『地域に住んで良かったと思える活動を行う』ことで、課題が解決の方向に向かい、その地域に住む人々が世代を超えてつながり、相互の理解を深めたり、活動を通したやりがいを感じたり、体験による人材育成などが複合的に実現しつつあると感じたお話しでした。
地域課題に取り組む「つしまみんな食堂」の紹介から話は始まりました。
「つしまみんな食堂」 一言でいうと「食堂という名の絆活動」です。コロナ感染拡大のために休止時期 もありましたが、月1回 開催をされています。
そこでは、
① みんなで作る 食べる ~体験型子ども食堂~ ②子供からお年寄りまでみんなの居場所
という空間を実現するために「地域団体との協働・連携」を進めています。
ご自身の勤務先の報恩積善会、津島生活学校、京山公民館という地域の団体・組織の他、ボランティアとして、ノートルダム清心女子大・岡大ボランティアサークルの学生たちの運営協力。また、「つしまみんな食堂」の名前の原点となった子ども食堂のつながり;岡輝みんな食堂 ・こどもを主体とした地域づくりネットワークおかやま等が協働・連携しています。
そして、今国内で問題となっている「食品ロス削減」に有効な取り組みも行っています。
2018年より活動を開始。当初、会場は報恩積善会で行っていましたが、コロナ感染防止の観点で会場を京山公民館へ移して現在開催しています。 コロナ禍のため、みんなで食事を作って食べることが出来なくなった期間には、「フード&ライフドライブ」という食品や弁当を集めて家庭に届ける活動「京山コミュニティパントリー」を行いました。20年4月から21年4月にかけて4回実施したそうです。
「パントリーとは、元々は食器や食品類を貯える小部屋」という意味ですが、最近は、コロナ禍で日々の食品や日用品の入手が困難な方に対して、企業や団体などからの提供を受け、身近な地域で無料配付する活動(場所)として用いられるようになりました。
この活動としては、連携している他地区の子ども食堂など3団体から食品や弁当を寄贈してもらい、地域の子育て世代や一人暮らしの高齢者、バイトができない大学生に配布しました。
上記の団体に加え、岡山市子どもセンター、岡山市社協などが連絡や運搬、仕分け、配布などの協力をしてくれました。
現在でも前田さんは、週4回 つしまみんな食堂の代表として、ハローズで食品を受け取り、一人暮らしの高齢者、子育て世代に配布、スタッフの学生にも渡し食べてもらうことで『廃棄される食品のレスキュー』も行っています。この活動は、前述のNPO法人ジャパンハーベストの協働シェアラーとしての活動でもあります。
スーパーハローズでは、賞味期限前の食品を、必要としている団体・組織が受け取りにいけば無償提供するフードロス削減の企業活動「ハローズモデル」を各店舗で確立しています。政府からの表彰も複数回受けています。前田さんのお子さんは、休日には一緒にハローズの受け取りに同行するということで、幼い頃からの体験による学びにもなっています。
『みんなで作ろう!食べよう!つながろう!』『 誰もが地域の一員として参加が出来て、集まった人みんながちょっとした役割を持てる』のが「つしまみんな食堂」の基本スタンスですが、コロナ禍の現在では、感染に気を付け、家庭単位での調理などできる範囲での活動となっているそうです。「食」を通じて多世代での交流が復活することが期待されます。
同食堂では、マスクを着用してできる活動として不定期でものづくり体験のワークショップも開催しており、地域の高齢者の方々も参加しています。
ここからは、養護老人ホーム 報恩積善会とつしまみんな食堂、津島生活学校の3者の役割分担の紹介です。
報恩積善会は通常の老人ホームとは違い、福祉事務所を通じてしか入居できない施設です。同会では、
食料の保管と引き渡し役を担っています。つしまみんな食堂から同施設へ連絡・マッチング情報が届きます。引き取り役として、津島生活学校が受け取り、京山公民館で「京山みんなのカフェ」 活動としてフードドライブを実施し、報告をします。同学校は、子ども食堂の実施にもボランティアで協力をしています。
この他、報恩積善会では、入所者の地域とのつながりを作る活動として、入居者による新聞紙を使ったマイバッグづくりを行い、それを地域の商業施設へ配布し、地域でのレジ袋削減活動に貢献しています。地域にある中国銀行や、コンビニ、パン屋等へ提供し、広く地域の方々が利用できるようにしています。この活動は、 第6回おかやま協働のまちづくり賞で奨励賞を受賞しました。 入所者の社会参加とやりがいが実現しています。
このように同地区では、地域にある組織や団体、市民の連携によって、地域の貧困・飢餓の課題と食品ロスの解決を結び付けたり、つしまみんな食堂という居場所を作ることで、多年代の交流ができたり、地域住民がスタッフとして参加することで、誰もがボランティアを経験し、地域を理解し、貢献できる機会が提供されています。
前田さんは多面的な立場で参加しており、組織間のコミュニケーションを簡単にしていますが、それぞれの組織・団体、個人が、自分たちの立場の垣根を少し、越えて連携することで、地域に住む人たちの持続可能性が高まることに貢献できるという一つのモデルではないかと考えます。
岡山には、フードロス削減の有効な解決策ハローズモデル(ハローズ以外のスーパーも協力してくれる実績があります。)が確立しています。この活用は、みんながいきいきと楽しく暮らしていくきっかけの一つになるのではないかと感じました。是非皆さんの地域でも、連携による取組を始めませんか

