地域をカエル 今と未来の担い手

地域課題・社会課題まち・むら

今日は、こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
今回は、岡山が持続可能な地域になるための今と未来の担い手について少し考えたいと思います。

岡山でのSDGs普及に向け、NPOや企業・大学・市民で構成する任意団体SDGsネットワークおかやまが
山陽新聞社と連携して地元岡山県を「持続可能な地域にするにはどうするか?」について振り返り、今後の地域について考えたいと思います。

2019年より山陽新聞社が140周年記念事業として開催した5回のシンポジウムは「令和時代の地域をつくる」のテーマで行われました。第1回は、AIが分析した結論では、日本は地方分散社会にならないと持続できない。
第2回で、県内の県北に住む方々のライフスタイルを通して、しあわせの価値や持続可能について考えました。
第3回は、地域でのお金の循環を通した、あたたかなお金のあり方について学び、4回目は持続可能な地域内の移動=交通について、県内の2地域で解決に取り組む事例を共有しました。日本は、交通は競争のため利益が必要、ヨーロッパは福祉という考え方の違いがあることがわかりました。
最終回は、地域学のススメ。現在、岡山県内の各地で進む高校での地域課題を地域に出て行き学び、解決に向けての取り組みを考える授業が行われていることが紹介されました。 このシリーズでは、シンポジウムの前に事前ワークショップをSDGsネットワークおかやまの例会に合わせて開催し、当日の質問などを準備し、より深いものとなるように工夫されました。 

シンポジウムのまとめとして、人やモノ、お金が外に出ていく流れを変え、地域での循環を高めるとともに、地域の人々のつながりを強めて支え合うことを趣旨とした「令和時代の岡山宣言」を採択しました。

これは、「都市集中型」の社会から「地方分散型」の社会へ。エネルギーを地元の再生可能エネルギーに置き換えていく。地産地消を進め、地域内の経済循環を高め、健康寿命を延ばす。地域に根ざしたライフスタイルによって、真の豊かさや幸福につながるのではないか。地域資源の再生こそが、日本を再生する近道、地域ファンドを設け、自分たちで使い道を決める仕組みをつくり、地域にイノベーションを起こして市民自治を目指すとしています。 基幹交通と生活交通を組み合わせたネットワークをつくり、地域の持続可能性を高める。
持続可能な地域づくりのために、次世代の担い手の育成は不可欠。学校内だけの学習では実現せず、地域社会を舞台とした学びの場が必要です。学校外の人々や魅力を知り、地域課題の解決を考える探究型の「地域学」を深めていく。そのためには、幼小中高や大学、自治体、企業、NPOなど地域が連携としました。

第2回シリーズもコロナ禍の影響を受けながらも、WEBを使ったオンライン配信を活用し、事前ワークショップ・当日シンポジウムが開催されました。 第1回シリーズを受け継ぎ、「地域課題を考える」のテーマで、4回開催、
第1回は、子どもの「貧困」や「居場所」、次にエネルギーの地産地消、後半の2回は、教育に関するテーマで開催されました。
第3回「教育の環境」では、県南県北の教育環境の差や第4回「若者、政治、未来」では、若者が政治に関心を持つには、幼・少年期から地域の事を学び、地域の持続性について考え、行動することがやがて、政治への関心につながり、自分たちで地域を変えていく力になる、そのための環境整備が必要であることの事例を通した確認と既に県内各地で行われている先進的な事例紹介が行われました。
既に10月3日の山陽新聞で詳しく紹介されています(ゆうあいセンターSDGs情報コーナーに配架中です)が、新見高校では、新見市の学校連携コーディネイターが活躍し、主権者教育において、地域の事を学び、その中から学校内で学習結果の優れたものを選抜して新見市に陳情の形で政策提言を行っています。これまでにいくつかの提言が実現しています。高校生の時の地域学習による政策実現体験は貴重なものになると同校OGが話してくれました。

早島町では教育長をトップに、幼稚園から中学まで(同町には高校がない)地域の伝統や自然環境、歴史などを一貫して学ぶ教育システムが確立させています。園児、児童、生徒のみならず、町外から勤務する教職員も町の人から早島町の事を学び、自分の受け持つ児童生徒の地域での学びを同じ知識を共有して指導できるようにしています。
そして、毎年2月に「子ども議会」を開催し町の課題に関する政策提言を行うしくみを確立しています。
自然と自分が育った町の将来に関しても意識をすることになります。

奈義町では、このままいけば人口減により町が消滅するとの危機感より、町ぐるみ(町民80%が関わる)で子育てしやすい環境をつくりと共に地域の郷土文化を学んでいます。実に89.7%の中高生が奈義町は底建が安心して出来ると感じており、将来町に残る率が高くなるようなデータとなっています。
ナギフトカードという行政に参加するとポイントをもらえ、地元の経済活性活動につながる仕組みも確立し、若者の声が行政に反映されるため、町議会選挙の投票率は82.14%にもなっています。これは社会体験から生まれるし自意識の賜物であろうと考えられます。

これまでの教育が地域と乖離していたことを反省し、教育改革で地域の事を学び、地域課題の解決をしながら成長することで持続可能な地域づくりを行う方向に日本は動き始めています。
岡山では、その動きが県内に広がり始めています。

地域課題を考える中で若い世代が、環境・地域社会・経済の循環についても優れた提案ができるようになることが始まっています。例えば、地域の企業と高校生がコラボした新商品は新しい視点でこれまでにない客層をつかむ商品となっているケースもあります。
それだけに、地域循環を高め、人々のつながりを強める社会実現のために次代を担う中高生、学生、若手社会人ら10代、20代に地域課題を考える機会を提供すると共に一緒に考え行動することが求められていると感じています。
以下、山陽新聞社と持続可能な岡山地域づくりを目指す市民団体SDGsネットワークおかやまがシンポジウムをきっかけに協働して作成した宣言文です。
賛同いただける方は、https://sdgs-okayama.jp/ よりご署名をお願いします。
令和時代の岡山宣言
 政府は地方創生の旗を振ってきましたが、東京一極集中は進み、地方の衰退に歯止めがかかりません。人口減少が本格化する令和時代は、「拡大・成長」を追い続けた昭和時代とそれを引きずった平成時代から発想を変え、「持続可能性」を目指していくことも必要です。危機的な状況の中で、持続可能な地域をいかにつくっていくのか。私たちは、1年余りにわたったシンポジウムを通じて模索してきました。
 まず手がかりとしたのが、一極集中に代表される「都市集中型」の社会から「地方分散型」の社会へ早期に転換しなければ日本は行き詰まる、というAI(人工知能)の予測でした。そして、地方分散型社会を実現するための道筋を話し合いました。
 生活の足元から暮らしを見直すことが必要です。便利で楽だとして外部依存を強めていくことで失われたものを取り戻したい。域外に最もお金を流失させているエネルギーを地元の再生可能エネルギーになるべく置き換えていく。地元の産品の購入や地元の店で買うことなどによって、地産地消を進め、地域内の経済循環を高めていきましょう。
それにより地域の高齢者らが「生産者」などとして生きがいを持ち、健康寿命を延ばす可能性も出てくるでしょう。地域に根ざしたライフスタイルによって、真の豊かさや幸福につながることにもなります。
地域資源の再生こそが、日本を再生する近道になるでしょう。コミュニティービジネスやソーシャルビジネスなどによる小さな雇用を積み重ね、地域でお金が回り、自立していくことが重要です。起業家に寄りそう創業支援やチャレンジしやすい環境づくりを行う。地域ファンドを設け、自分たちで使い道を決める仕組みをつくり、地域にイノベーションを起こして市民自治を目指します。長期の目線で社会変革を促す意思を込めた温かなお金の流れを重視したい。志を持った『志民』やローカルが新しい暮らしをつくる局面に来ています。
公共交通が衰退している現状では、地域が持続可能でなくなります。車依存の悪循環を絶ち、公共交通を便利にすることで外出を促し、歩いて楽しい街にしてにぎわいや人々の出会いを生み出す。温室効果ガス削減など環境を改善し、歩く距離を増やして健康を促進する。そのためにも地域公共交通を競争から協調へ変え、基幹交通と生活交通を組み合わせたネットワークをつくりたい。住民が行政などとともに適切な仕組みをつくっていく「自治の力」が求められます。地域で人と人を結ぶ場所づくりやコミュニティーの形成も求められます。

持続可能な地域づくりのために、次世代の担い手の育成は欠かせません。今向き合っている情報化社会は、規格品を大量生産することによって豊かになる高度成長期などの工業社会とは違います。答えのない課題に挑んで新しい知識や価値を創造することが求められます。これまでのような学校内だけの学習では実現せず、地域社会を舞台とした学びの場が必要です。学校外の人々や魅力を知り、地域課題の解決を考える探究型の「地域学」を深めていく。そのためには、幼小中高や大学、自治体、企業、NPOなど地域が連携することが欠かせません。支えるチームをつくってビジョンを持って推進していく。学校と地域をつなぐコーディネイターの果たす役割は大きく、その育成や支援する組織づくりも重要です。地域への理解や愛着を持った人材の育成は、地方創生の第一歩となるでしょう。
シンポジウムを通じて強調されてきたのは、人やモノ、お金が外に出ていく流れを変え、地域での循環を高めるとともに、地域の人々のつながりを強めて支え合うことでした。シンポジウムに集った人々の出会いも生かして自分事として関わり、地域循環型の共生社会を推進していきましょう。

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