獣害とSDGsの関係
地域課題・社会課題まち・むら
今日は、こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
今回は、獣害とSDGsについて少し考えたいと思います。
8月31日の地元新聞に獣害に関する2つの記事が掲載されました。
全県版では、「2020年度シカ捕獲最多1.5万頭、イノシシ2年連続3万頭超」 これは、獣害による農林生産物を守ることや住民の生活環境を守るための結果です。 被害額は、シカは3000万円超、イノシシ9000万円ほどとなっています。ピーク時の被害額からするとシカは1/4、イノシシは半分強にまで減ってはいますが、それでも相当な金額の被害額です。
もう1件は玉野圏版 こちらは同市の観光スポットの一つ王子が岳の山頂付近に出没するイノシシ捕獲のために8月30日~9月12日までの2週間 駐車場入り口や休憩所をバリケードで封鎖して駆除するものです。観光客慣れしたイノシシが子供の持っている食べ物を取ろうとするなど、農林業だけでなく観光被害にも悪影響が出ることを防ぐ目的もあります。
実は、筆者も、玉野市住人です。北部八浜エリアに住んで40余年になりますが、先日、初めて日中に歩く
イノシシを発見しました。同地区にある玉野光南高校の近くの自転車道を一頭のウリボウ(生後3か月程度か)がうろついていました。たまたま近くにいた女子高生は、驚いて来た道を引き返しました。
10年ほど前に獣害の対策をする専門家のお話しを聞いたことがあり、『獣は見たらコラーっと言って追いかけ、人間は怖いと教える必要がある』と言われたのを思い出しました。声をあげ、ウリボウを追いかけました。ウリボウは始め何のことかわからずにきょとん。それでも私が走って追いかけるので逃げ始めました。
追いかけた方向がねぐらのある山の方向ではなかったようだったので、山に帰る方向の道を空けることにしました。近くには畑があり、ひょっとすると親と一緒に普段から出没しているのかもしれませんでした。
親と一緒にいたらこちらが危なかったかもしれません。
イノシシが町中に現れるということは、人間が餌付けに成功した結果だそうです。イノシシには、怖い餌か怖くない餌しか無く、餌場で人間がいつも追いかけると学習をしてそこには来ないそうです。それがないと元々平地に住むイノシシは平気で自分の縄張りと思いやって来るとのことです。
県南の玉野市でもこのような状態ですが、県北の獣害は大変深刻です。里山の作物を荒らしに来ます。その対策のために、自治体は様々な手法を編み出しています。「獣害をジビエとして産業化する」ことで、経済的側面の効果も得ようとするものです。
真庭市では、シカ、イノシシの捕獲後すぐに解体できるキッチンカーを導入、美作市では、市営の解体施設を設置し、これまでに多くのジビエ料理肉やペットフードとして販売もしています。5月に紹介した西粟倉村では、ジビエのバーベキューセットを販売したりしています。シカやイノシシの肉は、自然の中で育っているので脂肪が少なく、ヘルシーな肉です。ジビエの肉を食べることは、農産物被害の減少となるだけでなく、SDGsの視点でとらえると目標2.飢餓をなくそうや目標13.気候変動に具体策を に大きく貢献するのです。
牛、豚、鶏はそれぞれの肉1kgをつくるのに、穀物が10kg、4kg、2kg必要です。その穀物は、ほとんどが海外から輸入されています。南米の貧困地域では、飼料用穀物が多く生産されていて、この穀物は農場の近辺に住む人々の手には入らず、遠い日本やヨーロッパの動物の餌になっています。日本は多くの飼料用穀物をアメリカから輸入していますが、一部南米などからも輸入しているのです。日本が26万トンのとうもろこしを輸入しているアルゼンチンでは1000万人が飢餓にあえいだ年もありました。アフリカのサハラ砂漠以南では4人に1人以上が十分な食料を得られない現状もあります。
さらに、温室効果ガスのCO2の25倍もの温室効果を持つメタンガスは、牛や羊のゲップや廃棄農作物からも発生します。国連の報告書によると世界全体の温室効果ガスの16%をこのメタンガスが占めるというのです。
畜産動物のゲップからは世界全体の5%ほどのメタンガスが発生すると言われています。
世界の食の潮流として、大豆を加工した肉の代替品などが最近多く市場に並びはじめています、食感も非常に本物の肉に近いとのこと。先日、スーパーで買った大豆で作ったデミグラスハンバーグは、食べただけでは大豆と分からないほどの味と食感でした。 価格も肉で作ったレトルトハンバーグとさほど変わりません。
世界人口が増え、飢餓に苦しむ人々が多くある現状を考えると私たちが食生活を変えていくことで、救われる人が増えるのではないでしょうか? もともと肉食の少なかった日本人は、魚類を多く食べていました。肉食が増え、メタボや大腸がんなどの病気の人も増えています。どうしても肉を食べるなら、ジビエの肉の量を増やすことで、森林環境や農作物被害を減らすことにつながるのではないでしょうか?
西粟倉村のA0(エーゼロ)では、クラウドファンディングサイトのMakuakeにおいて鹿の味付け肉シリーズを発売しています。家庭の食卓には縁遠い存在のジビエをもっと手軽に食べて欲しいという想いから開発したそうです。
鹿肉の「ヘルシーステーキ」、「あまから醤油」、「塩こうじ漬け」の3種があります。
とはいえ、ジビエの肉はなかなか流通していない現状もあります。それは、猟期が決められていることと、わな猟以外の狩猟免許を持つ人が減少していることがあるそうです。 県では、狩猟免許の申請手数料や銃の教育講習料などの半額を補助しています。地域で持続可能な自衛体制を整えることが重要で、狩猟者リーダーの育成が必要となっています。
興味がある方は、是非ご覧ください。筆者も狩猟免許に挑戦したいと思い始めたこの頃です。

