SDGsネットワークおかやまの2020年度の定例会1 環境と教育について

地域課題・社会課題環境

こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
今回は、第2期を迎えたSDGsネットワークおかやまの総会後の初となる定例会の模様をご紹介します。
< 環境 > SDGs目標13
 岡山市は7月29日に、温室効果ガスの削減を自治体が世界に約束する「世界首長誓約/日本」に署名しました。地球温暖化を防ぐ活動で、国内では広島、京都市などに次いで24番目、岡山県内では初めてです。市は本年度中に目標値などを定めた行動計画を作る。ということで、SDGsネットワークおかやまとしても行動計画策定に向けた提言づくりの第1歩として定例会において、提言に関する検討を行いました。筆者もSDGsネットワークおかやまの事務局として参加しましたのでご報告します。

コロナウイルスの影響を考慮し、初めての全面ZOOM会議形式をとりました。話題提供者には、岡山で自然エネルギー100%の社会を目指して、普及を図る事業を展開している認定NPO法人おかやまエネルギーの未来を考える会 会長 廣本さん。
以下のような情報を提供されました。一部加筆しています。
①気候変動リスクが高まっていること。温暖化だけでなく、それが元になり、台風の大型化や地域による線状降水帯発生による豪雨の発生。

②気候変動で被害を受けた人々は飢餓、病気・感染症、貧困などのリスクにも襲われる可能性が高くなる。SDGsの目標は関連している。

③2015年に決定したパリ協定では、2100年までの平均気温上昇を2度以下にするとしているが、ここにきて世界の動きは1.5度までの上昇にしないと危ないという潮流になっている。今の状態を続けると2030年で1.5度上がるとする予測もある。現時点で国連に各国が目標を出しているが、達成しても3度上がると言われている。特に、日本の動きは鈍く、消極的。

④CO2削減のためには自然(再生可能)エネルギーの普及が必要。太陽光発電・太陽熱利用、風力発電、小水力発電、バイオマス発電・熱利用、地熱発電・地中熱利用などがある。日本はいまだに火力発電を12基新設して続けようという方向性がある。

⑤地方自治体の動きとして、2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明をしているところが増えている。
岡山県や真庭市でも表明し、全国で148自治体が参加している。岡山市も7月末に、世界気候エネルギー首長誓約に署名し、国内24番目の発表となった。

⑥自然エネルギーの普及活動をしているといろいろな質問が寄せられる。
太陽光発電設置のコスト(初期投資費用)の問題やパネル設置が環境に悪い部分があるのでは? 確かに設置コストは、日本は世界で2番目に高い。原因は人件費。しかし、だんだん下がってきており、2030年には50万円くらいと当初よりも1/3くらいに下がるのではないかと言われている。そうすると石炭火力発電よりも安い価格になるので、さらに進む可能性大。

⑦企業も自然エネルギーにシフトする動きが増えている、RE100 2050年までに全ての電気を再生可能にすることを表明している企業は世界で242社、日本でも36社が表明。投資家もSBT(科学的評価に基づく目標)を求め、投資する方向に変わってきている。動きが加速すると思われる。

⑧住宅での発電については、自己所有という方法以外にも、屋根貸しをするゼロ円ソーラーという方法もある。ゼロ円ソーラーは、初期投資0。10~15年後に無償譲渡。非常用電源として使える。
ただし、蓄電池は使えない。
エネルギーを効率的に使うには、EVと合わせて電気を使ったり、蓄電池活用する方法もある。創エネ以外にも、2重窓のような省エネ対策や効率の良い家電を利用することでエネルギー需要を1/4くらいに減らすことが可能となる。 各家庭だけでなく、地域コミュニティでの取り組みを進めることも価値がある。

この後は、グループに分かれ、感想や自治体への提言にむけてどんなことをしていけば良いかを話し合いました。
・EVでの長距離移動が可能となるように充電基地の設置拡大や地域として動くことも必要。太陽光発電と太陽熱温水の利用をミックスしてモデル地域を作る。木造の建造物を増やすことで、建物内の温度を下げることが出来る。実際、宇野小学校の児童クラブで木造にしたらエアコンがききやすかった。 など様々な意見が出されました。今後、さらに意見を集め、提言ができるように進めていきます。 

< 教育 > SDGs目標4
2つ目の話題として、山陽新聞社 岡山編集委員室長より、これまで本定例会と連携して進めてきた 連続シンポジウムの最終回 第5回を9月19日(土)に開催すること、テーマを「地域学のススメ」にして、教育問題についての内容とすること。基調講演岡山の地域学について詳しい、大正大学 浦崎先生にお願いし、岡山県教育長にもパネリストとして招きたいことなどの説明がありました。

さらに、当日のパネリストでもある、NPO法人だっぴ 柏原代表から組織の思いと実績、これからの在り方について説明がありました。
「ひとりひとりの若者が人とのつながりの中で自分らしく生きられる社会を作り、若者の可能性と実現力を開拓する」目標をもって、「だっぴ」という手法で、大学生がファシリテーターとなり、地域の若者と大人がつながりあえる場づくりを行っている。

学校教育は従来の知識教育から探究活動の増加している。県内の高校でも地域の探究活動が増えていて、学校の先生も意欲が高まっている。学校教育が進む中で社会教育の受け皿が少なく、地域と学校をつなぐ役割をもつ人財・団体の養成と共に、社会教育を行う団体が連携できるコンソーシアムの設立が必要と感じる。

シンポジウム前のワークショップは、9月初旬に実施予定で現在調整中です。会員以外の方は、
SDGsネットワークおかやまのfacebookページをご覧ください。

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