「近づくバレンタインに備えて読みたい本」

地域課題・社会課題子ども

お薦め書籍

こんにちは、ゆうあいセンター CSR担当の小桐です。
今回は、当センターでバレンタインの時期に合わせて読んでいただきたい本とその周辺情報をお届けします。
ずばり、読んでいただきたいのは、「子どもたちにしあわせを運ぶチョコレート」~世界から児童朗度をなくす方法~  です。

バレンタインデーの歴史は、ローマ帝国の時代にさかのぼるとされるとウイキペディアにあります。
ローマ帝国皇帝により禁止された兵士たちの婚姻を、内緒で結婚式を行っていたキリスト教の司祭ウァレンティヌス(バレンタイン)が命令に背いたという事で処刑されました。元々2月14日が家庭と結婚の神の女王ユーノーの祝日だったことで、バレンタインと2月14日が結びついたという説があるようです。
チョコレートとバレンタインデーの結びつきは、キリスト教徒は全く関係なく、日本独自のもので、チョコ業界のマーケティングによるものだそうです。

神戸のモロゾフ製菓が昭和11年2月12日に外国人向け英字新聞に、「あなたのバレンタイン(=愛しい方)にチョコレートを贈りましょう」というコピーの広告掲載したことがルーツという説が最有力で、しかし実際に市場で認知されるようになったのは、1958年(昭和33年)ごろからで、「女性が男性に対して、親愛の情を込めてチョコレートを贈る」という「日本型バレンタインデー」が社会的に定着したのは、1970年代後半だったそうです。

さて、このチョコレートですが、原料のカカオ豆がどこで獲れるかは皆さんご存知かと思います。西アフリカのコートジボワールやガーナが有名ですね。このカカオ豆栽培には、とても悲しい現実があることをご存知ですか? カカオ豆の栽培の裏側で、児童労働があることをご存知でしょうか?
この悲しい現実を分かりやすく紹介しているのが、この書籍です。

著者は、認定NPO法人ACEの事務局長白木朋子さん。 このNPOは、女子大学生5名で立ち上げてから、今年で、23年目です。ガーナのカカオ豆栽培やインドの綿栽培に絡む児童労働を無くそうと、現地や国内の企業などと連携して、子ども達が教育を受けられるように「親、地域の説得」「地域での学校建設」「国内企業からの支援と商品開発」などを行っています。

小職 ゆうあいセンター 小桐も前職で、このエースと組んで、オーガニックコットンを広める授業プログラムを一緒に作り、学校で広めていた経験も有り(環境省の中学校ESDモデル授業プログラムにも選出されました)、白木さんとは旧知の仲なので、是非、児童労働の無い社会づくり、フェアトレード商品(チョコ)のことを知って欲しくてご紹介する次第です。この本は、SDGsが始まった2015年2月に初版が発刊されており、現在第2版です。

日本に一番カカオ豆を輸出するガーナでは、子ども達はチョコレートを食べたことは有りません。沢山取れて余っているから輸出していると思っていたら大間違いなのです。ACEに出会う前のかつての私がそうでした。
是非この本を読んで事実を知ってください。
そして、この本に関連して一緒に目を通していただきたいレポートが2件あります。
一つは、ACEの活動を記したNSRレポートです。毎年発行されていますが、最新版として2017年版があります。企業ならCSRですが、NPO法人なのでNSRレポートです。どのような活動を行っているかがご覧いただけます。WEBサイトにも掲載されています。財務情報もWEBサイトで紹介されています。
もう一つ、読んでいただきたいのが、このACEとコラボレーションをしている「森永製菓」のCSRレポート2019年版です。この2社は、チョコレート「DARS」でコラボしています。発売から既に10年を経過しており、最近ではコンビニでも買うことが出来るポピュラーなチョコです。
「1チョコ FOR 1スマイル」キャンペーンで、ダースを買うと売り上げの中から、資金が提供され、ACEを通して、児童労働をなくす様々な活動に使われています。その実態が2団体のレポートを読むことで浮かび上がってきます。森永はこのACEの他、プランジャパンという団体も支援しています。

このチョコレートのパッケージの裏をご覧いただくと簡単な説明が書いてあります。
児童労働がなくなるチョコとして、私は安心してこの「DARS」を食べています。フェアトレードのマークはついていませんが、フェアトレードマークを取得したチョコと同じレベルであると考えています。

このようなチョコを支援するとSDGsの目標達成にも貢献できます。一番は、目標8:「働きがいも経済成長も」での児童労働をなくす ④「質の高い教育をみんなに」の学校に行ける環境づくり、⑩「人や国の不平等をなくそう」⑰「パートナーシップで目標を達成しよう」に繋がっていくと思います。
このようなチョコを買って自分でアレンジしてオリジナルのチョコをつくるのも女性にとっては、愛情表現の一つして良いかも知れません。 誰かの犠牲で誰かが幸せになるような社会を一刻も早くなくしていきたいものです。全ての人が、生きとし生けるものが幸せになるそんなバレンタインデーに今年から変えてみませんか?
チコちゃんからも叱られないように。

ちなみに、 「子どもたちにしあわせを運ぶチョコレート」~世界から児童朗度をなくす方法~ はゆうあいセンター 中ほどの図書コーナー、中央通路に面した奥の方「ボランティア」のコーナーの下段に有ります。
その横に、ACEと森永製菓のレポートも置いていますので併せてご覧ください。

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