2019年エコプロダクツ展 視察報告
イベント・セミナー環境
こんにちは、ゆうあいセンター CSR担当の小桐です。
今回は、毎年12月初旬に東京ビッグサイトで開催されるエコプロダクツ展。第21回の視察報告です。今年は、12月5~7日で開催されました。
◇概説
毎年3日間の開催で15万人程が来場する日本で最大の環境に関する展示会です。来場者は、小学生~大人まで様々、環境の総合学習で小学生~高校生まで約2万人程が、見学します。最終日は、ファミリー層や小学生を中心とした地域の団体などが中心に訪れる展示会です。
出展団体は、企業が一番多く、その他、NGO・NPO、小学校~大学までの教育機関、地方自治体や環境省などの官庁と多様です。展示以外にも会場内外でのセミナーなども複数あります。
展示は、基本各団体の環境商品、環境への取り組みのアピールが中心ですが、SDGsをどの様に経営に活かしているかや学生を対象に環境の啓蒙を行う団体もあります、また、テーマを決めて関連団体が出展するコーナーもあります。大小のブース併せて500団体ほどが出展していました。
◇概況
今年の傾向について最初に大まかに紹介します。
常連企業の不参加や展示規模の縮小、展示内容の変化等が見られ、昨年よりも参加団体数が減少した展示会でしたが、それなりに見学者も多く賑わっていました。
自動車業界では、昨年まで2社あった出展が0。トヨタは、車の展示ではなく、自然と動物たちの未来を守る活動に関しての展示を行っていました。常連のリコー、イオン(環境財団のみ出展)、オカムラなどもありませでした。会場が分散されたことで全体としての盛り上がりに欠ける印象につながったと思われます。
個別の展示では、2030年までに世界で取り組む共通の目標「SDGs」を、自団体の事業活動とリンクして見せるブースが昨年よりさらに増えたと感じました。昨年はまだ、SDGsとは何かの普及啓蒙をするコーナーがありましたが、今年は、啓蒙からアピールにシフトした印象です。SDGsにどのように取り組んでいるか、それが、社会課題の解決としてどのような意義を持つかをビジュアルに表現、展示している印象を受けました。社会価値と事業価値の共有をアピールする企業が増えたことは、良い傾向だと思われます。
◇テーマ展示コーナー2つを紹介します。
1つ目は、「第4回ナノセルロース展」コーナー。木質バイオマスを利用して新たなプラスチックを開発し、脱石油をめざすというものです。製紙会社が積極的に取り組んでおり、大王製紙が中心に展示していました。ナノセルロースファイバー(NCF)で作った未来の自動車の展示もありました。住友ゴムは既にタイヤ「エナセーブ」に使用しているというパネルもありました。
2つ目は、海洋プラスチックゴミに関するコーナーです。15団体が出店していました。海洋プラスチックゴミが私たちの暮らしから発生して、海へ流れ、紫外線や波などで分解され、どのようになるか、生物や人間への影響を紹介するとともに、海ゴミを造らない工夫、分解されても悪影響が出ない素材などの展示がありました。
プラスチックに関係した展示では、石油資源の使用を減らし、CO2を増やさないプラスチックということで、日本有機資源協会が「植物生まれのプラスチック」をアピールしていました。とうもろこしの澱粉などを利用して作られたプラスチックで作ったフィルムやコップ、箸、文具や繊維、レジ袋、食品トレーなどが展示されていました。
◇最近色々な場面で目にするSDGsについて各出展ブースでの表現を紹介します。
A.政府・非政府系団体・地方自治体
①外務省ブースは、広くSDGsに関する目標の啓蒙をパネル中心に行っていました。一方、消費者庁では、「エシカル(倫理的な価値でモノを選ぶ)消費」やフードロスを減らして、地球環境の負荷低減を行う取組を、SDGs目標達成の啓蒙として展示していました。
②昨年に引き続き「SDGs×地方創生ブース」がありました。富山市、豊田市、三重県志摩市、北九州市などの第1期SDGs未来都市に加え、今年度あらたに追加された31の都市の中から、岡山県西粟倉村が出展して、村の魅力をアピールしていました。永続可能な森林経営や地域資源を生かしたエネルギーの創出など先進的な事例紹介でした。
③共同出展ブースとして、地元 岡山県のブースが出展していました。産業振興財団が音頭をとって、今年も11社が合同出展して自社のアピールを行っていました。英田エンジニアリング/エリス/くろがね産業/シーピー化成/タイガーマシン製作所/チヨダマシナリー 岡山支店/大松精機/日本資源開発社/藤クリ-ン/萩原工業/本山合金製作所。ここでは、自社の環境商品の紹介がメインであり、特にSDGsについての表現はありませんでした。
B.企業・団体ブース
①電気機器メーカー業界は、コニカミノルタが、「人間社会の変化に貢献する課題提起型デジタルカンパニーへ」と題して、資源エネルギー、労働力不足・ミスマッチ、都市インフラのセキュリティ不安、医療介護需要の増大というテーマ関係するSDGsの目標を関連付け、自社の持つICT技術を使っての解決について展示やミニ講演会を行っていました。
パナソニックでは、SDGsに対する考え方や取り組みの歴史と共に、ナノセルロースを部品に使った掃除機などエネルギー・資源に関する現在の取り組みを紹介していました。2050年にむけてのビジョンとして「使うエネルギー<創るエネルギー」にすると「水素」のインフラ整備などのプレゼンテーションを行っていました。
三菱電機は、TVモニターで自社のSDGsの取り組みを紹介するとともに、パナソニック同様2050年環境ビジョンを「大気、大地、水を守り心と技術で未来へつなぐ」として、インフラや移動、生活や産業技術などに取り組むアピールをしていました。
②製紙業界
前述の大王製紙以外に、日本製紙、王子グループ、少し業界は異なりますがダンボールのレンゴーが紙を扱う業種として出展していました。
海洋プラ問題への対応策として、紙のストローや地震、水害など自然災害への対応として段ボール製の簡易トイレやベッドなどを紹介していました。
製紙会社は自社林をもっており、その利用・整備は環境面でも貢献することをアピールしていました。
③食品、流通業界
昨年は、フードロスを大きく取り上げた同業界でしたが、今年は、セブン&アイホールディングスとびっくりドンキーの2社がアピールをしただけでした。
びっくりドンキーは、2050年のビジョンならびにその中途にある2030年をSDGsの達成年度として、取り組み目標を展示していました。現状の取組みについても材料の調達、残さず食べてフードロス削減、生ゴミ・食べ残しの資源化、メタンガスを利用したバイオマス発電への取り組みについてもきちんと説明していました。
④金融関係
世界で3000兆円超える市場規模となっているESG 投資。
日本でも0.7兆円から4年間で232兆円まで伸びています。
ESGに関する資料も多数展示していました。
環境・社会・企業統治に取り組まない企業には投資を控え、SDGs等社会課題に取り組む企業には、地球や世界規模のリスク、課題を削減する事業が促進されるように投資を行うというものです。金融機関自体が殆ど参加しない中で、今年も三井住友グループが出展。内外のESG市場の紹介や すべての企業の事業活動が自然(資本)に依存しており、生物多様性が保たれることで、持続可能な社会が継続できる。その為にも国内外の自然の適切な依存と管理が必要と展示を行っていました。その中で、SDGsの目標としては、14海の豊かさを守る、15陸の豊かさも守る、2飢餓をゼロに、6安全な水とトイレを世界中に、7エネルギーをみんなに・そしてクリーンに、13気候変動に具体的な対策をの6目標が当たるとしていました。
⑤物販コーナー「グリーンストアーズ」:毎年多くの企業や団体が出展するナチュラルなエコ商品を販売する「グリーンストア」というコーナーがあります。
サンゴを守るために、サンゴに悪影響を与えない日焼け止め(通常のものは悪い成分が入っている)や環境負荷低減のために染色しないで、リサイクル繊維と混ぜて作るタオル、再生PETから作ったカラーコップ、オーガニックなチョコレートなど32団体が商品を販売していました。
その中で、特に興味を惹いたのが、紫草から作ったオーガニック化粧品。
三重県との県境にある滋賀県の東近江市の過疎の集落で地元の高校生たちとコラボして行われている事業です。
高校生が作った「紫草」の苗を共同して植え、地元の高齢者の方々がオーガニック紫草の栽培・収穫して、化粧品を製造する化粧品会社を見つけ、製品化し販売している取り組みでした。
地元のNPOが、コーディネイトしたものですが、紫草は古来より日本の草として草木染めの原料などとして使われていましたが、昨今はその利用も少なく絶滅の危機にも晒されていました。絶滅危惧種を増やして生物多様性に貢献するという事もこの事業では実現できるとしています。
SDGsの目標6安全な水とトイレを世界中に、11住み続けられるまちづくり、12作る責任・使う責任、15陸の豊かさを守ろう、17パートナーシップが当てはまるとアピールしていました。
社会派化粧品「MURASAKI no ORGANIC」とい化粧品です。化粧水・乳液・美容オイル・洗顔・ハンドクリームの5種類があるそうです。日本の伝統を今に寄りがえらせる取り組みに今回一番心が動いた商品であり、取組でした。
⑥棚田コーナーもあり、全国の棚田で営みを行う団体が20団体以上出展していました。地元の作物の紹介だけでなく、自分達の地域課題への取り組みを紹介するなど、毎年多くの人が訪れるコーナーです。地元岡山からは、美作市 上山棚田団が出展をしていました。
以上長くなりましたが、社会動向の1情報として捉えて頂ければ幸いです。
