「SDGsに関する新着情報の紹介」2019年12月-②

イベント・セミナーその他

こんにちは、ゆうあいセンター CSR担当の小桐です。
今回は、市民の連携により、岡山でSDGsの実現を目指して活動する「SDGsネットワークおかやま」を代表して同ネットワークの石原会長(岡山NPOセンター代表理事)が登壇したSDGsに関するイベント2件を紹介します。

1件目は、11月11日に開催された 山陽新聞連続シンポジウム第3回「お金と地域の新しい関係」です。
既に山陽新聞の記事として、概要11月12日と内容は11月23日に報道されていますので、ここでは、概要は簡単に、紹介し、同ネットワークが協力する事前ワークショップで話し合ったことがどの様に反映されているかについて紹介をしたいと思います。

基調講演では、ローカルサミット事務局長の吉澤保幸氏が、「ローカルから温かいお金の流れを作ろう」のテーマで当壇。これまでの、国の富を増やしてそれを分配する方向から地域が主体となり、地域でお金を回して課題を解決することが重要と話されました。キーワードは「一流の田舎は済む理由がある」。
その後のパネリディスカッションで、中国銀行加藤頭取、2名の起業家 津山市レプタイル(Uターン支援事業)の丸尾社長と、倉敷市で美容品など「地域でキラッと光る商品」を紹介する事業 Orb河井七美社長がパネリストとして参加。進行を石原会長、山陽新聞編集局 室長岡山氏が務めました。

「地域でお金を回す」について、以下のような質問をパネラーに投げかけました。「岡山での起業のメリットデメリット」「岡山で起業する人が増えるには」「お金を地域で回すために取るべき行動は」
当日のディスカッションは、壇上のパネラーだけでなく、会場の参加者にも発言をしてもらい、セッションを深めていきました。 事前のワークショップにも参加して自身の起業について発言をした不登校の女子中学生にも発言をしてもらいました。「不登の自分がアニメによって救われた。アニメの情報発信力を人材不足の地元中小企業のリクルート活動とコラボさせたい。」この発言により、会場の雰囲気が一転し、大人が本気で起業・不登校といった地域の課題に近づきました。事前のワークショップの開催は、彼女に参加と発言の機会を提供しました。そして、シンポジウムにも参加するという行動が、シンポジウムをとても深い学びと気づきの場にしました。

11月23日シンポジウムの詳細が掲載された記事には、事前ワークショップで大学生など若い世代の起業に関するインタビューを行い、地方創生のキーワードを探る活動を紹介した 岡山大学伊藤さんの事も紹介されています。「若い世代はお金儲けや地位を得る事よりも幸福感を求める。」
パネリストの丸尾社長によると「会社で稼いだお金を16名の社員を養うためにどう使うか?次に起こす事業や人への投資のキーワードは、面白いか否か。」いかに幸せを創るかという意味であり、異口同音の発言ではなかったかと感じました。

河井社長も事前ワークショップに参加されており、そこでは、社員のバックグラウンドに合わせた、分単位の給与を導入した働き方についても紹介されました。この内容がシンポジウムでは、地域での働ける環境づくり拡大に繋がる事例として発言されることになります。 

SDGsネットワークおかやまの事前ワークショップが土台となり、シンポジウムが実のあるものになっていくことが段々と感じられるようになっています。ワークショップに参加していただくことで、色々な課題を知り、新たな人との出会いがあります。参加は無料ですので、会員以外の皆様も是非ご参加下さい。新しい人との出会いのあるグループセッションは、新たなる見識を得るチャンスです。

2件目は、11月13日に開催されたSDG5 ジェンダー平等に関するイベントの紹介です。
岡山県男女共同参画推進センター開館20周年記念事業及び月間事業として開催されました。主催は、当会の会員でもある世界女性会議岡山連絡会とおかやま女性国際交流会です。

テーマは、「ジェンダー平等を実現するために SDGsをどう使いこなすか」です。
基調講演を、JAWW(日本女性監視機構)副代表の織田由紀子さんでした。1985年第3回国連世界女性会議において話された、世界の妊産婦と健康を守るための活動が歴史的変遷を経てどのように繋がっているか、そして世界だけでなく、日本に於いても、地域、個人の格差が広がっており、男女平等の危機であることを改めて紹介されました。 SDGsは企業にとっては、ジェンダー視点での通信簿であると言われたことが印象的でした。

日本では、どれだけジェンダー平等でないか皆さんはご存知でしょうか?

2016年に発表された、各国の社会進出における男女格差を示す指標「世界的なジェンダーギャップ指数」では、日本は、144か国中111位です。国内の子どもの貧困率は13.9%でその内、ひとり親世帯は50.8%で女性世帯主が多いというデータがあります。これは、先進国中最悪レベルです。

また、社会進出という面においては、女性管理職の未婚の割合は、社員数300人以上の企業では、40%強、300人未満でも30数パーセントと他国と比べ高い状況です。既婚の女性管理職の50%以上は、子どもがいないという現状もあります。

ニュージーランドでは、2年前に議会規則の見直し。国会議長(男性)が議員の赤ちゃんをあやすことが当たり前となっています。「議会を人間らしい場所に、議事内容にも反映される」「人材の半分である女性の能力を無駄にできない」という思想です。
第1子の女児出産に伴う6週間の産休を終えたジャシンダ・アーダーン首相(38)は昨年の9月2日職務に復帰。その月末に行われた国連総会にもパートナーと共に参加しました。

国連の報道官はロイター通信に「アーダーン首相は、働く母親ほどニュージーランドを代表するにふさわしい人物はいないと証明している」「世界の首脳のうち女性はたった5%なので、我々はできる限り彼女たちを歓迎する必要がある」と述べました。 世界と日本の差があまりにもかけ離れていることを感じます。

さて、話を戻します。その後、パネルディスカッションに移り、ノートルダム清心女子大学 濱西准教授による話題提供がありました。同大学の女子学生が、岡山駅周辺で、風俗産業にまつわるキャッチセールスによるストーカー被害多くあっていたことが、学生たちの発言や調査で判明。関係団体との連絡、協議により、県条例の設置にまで発展したことで、安心安全な学習環境を提供できるようになりました。

山陽新聞 影山 美幸論説委員は、自身の体験談を紹介されました。豊島の産廃に関する住民運動で、世帯主の男性のみが会議に参加、女性はお茶出しの役しか担っていなかった。それを当然のことと島民たちは考え、女性だが記者である自分はとても驚いた。また、県北のある地区では常会とよばれる月例会があり、ゲスト参加した時に女性というだけで、お茶汲みを要求され、同じように驚いた。このように、地縁や企業の組織風土は古い体質を持っている。一方NPOは、女性も活躍する人が多く、地域課題に直感で取り組む例が多くみられる。自社でも女性記者の割合が20%にやっとなったが、10%から増えるのに10年かかっている。
SDGsをどう使いこなすか?女性活躍の機会として捉えると良い。企業のトップ・経営者の意識も変わってきている。

3番目にSDGsネットワークおかやまの石原会長が話題提供をしました。同氏が代表理事を務める岡山NPOセンターでは、女性が多く働いており色々な立場での働き方がある。フルタイムで働いている人達ばかりではなく、テレワークも実施している。自分が会長を務めるSDGsネットワークおかやまは、NPOが中心となって設立し、女性・子どもや海外の支援を行っている団体と連携を取っている。

これまでは、自組織だけでの活動が中心であったが、連携により、理解が深まり、繋がり合って目標達成がしやすくなる状況を作りつつある。今年度は、山陽新聞の連続シンポジウムと連携し、定例会を事前のワークショップの場として使っている。その場で話された検討内容がシンポジウムをより有意義なものとする質問等になっている。
SDGsを使って、岡山の地域課題の解決を考える社員研修プログラムも実施している。例えば、「難病で入院する子」と『健常な子』の学びの機会を均等にするためにはどうしたら良いか?を考えることなど。このように、組織の壁を超えた共通言語としてSDGsは使うことが出来る。

男女の差別に慣れ過ぎて分かっていない場合も多い。差別がない社会をつくるのに、今後どのようにするか?という会場からの質問について、パネラーからの以下のような発言がありました。
例えば災害時に女性の視点をどう取り入れるか?これについて影山さんは、「山陽新聞では、ジェンダー視点をいれた記事を作成してほしいという要望が有ることを確認している。そのような記事を書く様にしていきたい。 日本はまだ、女性が声をあげられない。女性が安心して、怒れない国。女性記者へのセクハラ問題でもやり過ごすことがスキルだと思っていた自分がいる。もっと周囲の女性の声を聴く様にしたい。」

濱西さんからは、女子学生たちのからのヒヤリングは、まず環境を作り、信頼関係を作ってから行った。当大学は、女性の幹部が居るので女性の心理に配慮して声を聞けていると感じる。

石原さんからは、経団連が進めるソサイエティ5.0を女性の目でとらえて、例えばオフィスにおける女性のヒール(靴)についてどのように考えるかは重要であるという問題提起がなされました。残念ながら時間の関係で議論には至りませんでした。

織田さんからは、LGBTQはSDGsの国際文書の中には表現されていないが、そのことを解決しようとする精神は入っている。中には、反対の国もあって入れる事が出来なかった。
SDGsの日本の報告は、努力の中身が見えにくい。女性パートの問題には触れていない、ソサイエティ5.0では、全くジェンダーに触れていない。SDGsは指針が改定されるのでチャンスととらえてパブコメを作成してほしい。(11月22日締め切り前だったので)

限られた時間のため、何かの結論を出すという事には至りませんでしたが、ジェンダー平等のために、参加者の共通理解が深まり、SDGsを改善のためのチャンスとして、連携し、行動しようという事が伝わったシンポジウムであったと思います。

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