「SDGsネットワークおかやま 最近の活動紹介 その3」
イベント・セミナー環境
こんにちは、ゆうあいセンター CSR担当の小桐です。
今回は、市民の連携により、岡山でSDGsの実現を目指して活動する「SDGsネットワークおかやま」を代表して石原会長が登壇したイベントを紹介します。
その前にフォーラム開催の前提を知って頂くために以下をご覧ください
気候変動は、もはや気候危機と呼べる状況です。平成元年から令和までの31年間を振り返ると(https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/index_1989.html)その被害が「記録的豪雨」「暴風」等の表現が段々と増えており、それに加えてその範囲の広さや被害の深刻さも増してきていることが分かります。
直近の5年間でも、平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害、平成27年9月関東・東北豪雨災害、平成29年7月九州北部豪雨災害、平成30年7月西日本豪雨災害、令和元年 台風・豪雨災害(15号、19号、21号)と甚大な被害が毎年日本国内の何処かで必ず起きています。
原因は、地球温暖化にあることは、皆共通した認識であり、今後は、如何に被害を小さくするための備えを、個人、自治体がそれぞれの立場で行うかという「適応策」が重要となっています。現在の暮らしを続ける限り、地球の高温化は避けられず、海面温度の上昇により、台風や豪雨の大型化、広範囲化が進み、被害はさらに拡大する予測がなされており、その対応内容および備えの速さが災害に追いつくか懸念されます。
< 第11回市民・地域共同発電所全国フォーラムとは>
開催趣旨
これまでの中央集権的なエネルギー政策だけでは、気候変動に対応するべき「求められるスピード」が追い付かないのではないか、今後、国内では、地域単位で自立できるエネルギーが重要となる。
そのために、地方自治体が再生エネルギー100%になれる地域づくりが必要であり、コミュニティや市民が再生エネルギー事業に出資し、自らがエネルギー生産の主体となって市民共同発電所を創る取り組みを拡大、進展させる必要がある。と同フォーラム実行委員会では考えられています。
CO2発生量は少なくても危険で、廃棄物の処理方法が確立していない、かつ膨大な利権が絡む原発でなく、安心、安全、持続可能で、地場産業の振興が出来、雇用創出が可能な、環境・社会・経済に良い効果をもたらす再生可能エネルギーを増やそうという趣旨で開催されてきました。
同フォーラムは、持続可能な環境・社会・経済を創るための市民の動きとして大変な意義があると思われます。
上記の趣旨のもと、市民共同発電所全国フォーラムは、1994年からスタートし、今年11回目を迎えました。関西以西では、はじめて岡山で開催されることとなりました。
開催概要です。
2019年11月1~3日に岡山市 オルガホール 及び 同ビル パネル展示会場 全国から延べ400名以上の市民や団体が参加しました。
初日は、2つの分科会が開催され、「これからの市民・地域共同発電所のつくり方」「再生可能エネルギーは電力自由化を生き抜けるか」について討議されました。
2日目の午前も2つの分科会が開かれ、「若者とこれからの再エネの話をしよう」「再エネ事業のためのお金の作り方、回し方」 午後からは、分科会の報告を共有し、基調報告、パネルディスカッションが行われ、大会アピール文が採択されました。
最終日は、エクスカーションとして、再生可能エネルギーの先進的な取組を行っている西粟倉村へ出かけました。希望者が多く、参加が出来なかった人も多くあったとの事です。
分科会報告の前に、その意義をより理解いただくために下記の情報をご覧ください
< 今後の気候変動の動きと世界の動き >
原因となる化石燃料使用による温室効果ガスの抑制に世界が舵を切った世界は、10月に行われた国連気候行動サミットで77か国が2050年にCO2排出ゼロを宣言し、2020年までに70か国が対策を強化すると発言しました。
会議に招かれた16歳のスェーデンの高校生で、環境活動家のグレタトゥーンベリさんが、「全ての生態系が破壊されている」「大量絶滅が始まっているのに、それなにのにあなたたちが話すのは、お金の事や経済発展が続くというおとぎ話ばかり、良くそんなことが言えますね」「今のままでは8年で1.5℃に抑える排出量を超えてしまう」「若者はあなたたちの裏切りに気づきはじめている」「私達はあなたたちを見ている」「あなたたちが裏切ることを選ぶなら、あなたたちを決して許さない」
今の若い世代は、一生涯、気候変動・危機の影響を受けて過ごさねばならない第一世代なのです。
深刻で切実な問題です。
気候変動を抑えるためには、CO2排出を抑える事は当然ですが、現在日本のエネルギー政策を早期に、大きく転換する事が求められています。その重要な柱として電力エネルギー転換が求められています。現在の電源は、以下の構成で作られています。
2015年のデータ:LNG:42.1%、石炭32.2%、石油9.3%、再エ6.9%(2018年では8%にまで増加)、水力7.6%、原子力1.7%
政府の方針では、2030年の電源構成は、LNG27%,石炭26%,再エネ22~24%,原発20~22%となっています。
1kwh当たりのそれぞれのCO2排出量は、再エネ(太陽光:38g-CO2/kwh,風力25、地熱13,小水力11)
)に対し、LNG:599(太陽光発電の)1576%、石炭:2482%、石油:1942%、原子力:53%となっています。この構成で、本当に気候変動に対応できるのでしょうか? 2050年の電源構成比は野心的な到達目標という言葉はあるものの、未だ明らかではありません。
本当にこれで災害が抑えられるのでしょうか?経済成長の前に生存し続ける事が重要であるという視点が今後4強く求められるのではないでしょうか?
第11回市民・地域共同発電所全国フォーラム 2日目
分科会「若者とこれからの再エネの話をしよう」報告
司会は、岡山で主催及び事務局を務めた「認定NPO法人おかやまエネルギーの未来を考える会(エネミラ)のメンバーの一人 中平 徹也さん(元アスエコ所長)。
パネラーに若者2名と40代の少し昔の若者3人を加え、グループセッションも行いながら進行しました。
冒頭、主催団体であるエネミラの田浦理事より、主旨説明が行われ、会がスタートしました。
司会より、「若者がこれまでの環境団体に参加しないのはなぜだろう? 未来の事を考えるのだから、若者をいかに後押しするか」この事を考え乍ら、話を進めたいとのガイドラインが示されました。
話題提供として、2名の大学生が自分達の活動について発表しました。
トップバッターは、京都大大学院生 塚元 悠平さん。「気候危機に立ち向かう若者たち」がテーマです。
自然エネルギー100%で気候変動を乗り超えるための活動に、なぜ関わっているか?その原点が幼い頃に泳ぎに行った京丹後の海がきっかけで、海洋汚染に興味を持ったこと。調べるうちに気候変動で生存が危ない事が分かり、そちらに力を入れるようになった。
世界の若者が立ち上がっている(未来の安心できる生存に向けての抗議と啓蒙活動) フライデー フォ フューチャー(FFF:スェーデンの女子高生 グレタトゥーンベリさんが始めた 金曜に授業をボイコットして、政府や大人に温暖化対策の強化を求めるストライキ)はデモンストレーションとなり185か国760万人が参加している。
経済的に豊かな生活にはなったかもしれないが、若者は、社会に対する閉塞感を感じており、社会変革を望んでいる。3月に始まった国内での「FFF」。当初、2都府200人の活動が、9月には、23都道府県27か所5000人が参加した。危機回避のために今、行動する必要がある、でないと若者たちが未来に悪影響を受ける。
緊急性が分かったら次にどうする?ACTION PLANをつくり、行動しないといけない。
脱炭素社会を実現するために、先進企業はRE100(自社の事業活動に関わる電力を全て再生可能エネルギーに変えることを宣言して、目標年度を定め、切り替えていく活動)が進んでいる。WWFの試算では全ての企業の事業活動をRE100に変えることは可能という試算もでている。
国内でも「自然エネルギー100%プラットフォーム」「RE action(自然エネルギーに関する新たなイニシアティブ)」「自然エネルギー政策プラットフォーム」など色々なプラットフォームが動き始めている。
是非、一度サイトを見て欲しい。そして、コンタクトを取って欲しい。
自身は大学から自然エネルギーを増やす活動を進めていく。千葉商科大学は既に自然エネルギー100%を達成している。龍谷大学にも、自然エネルギーの自家発電設備を整えている。
今後ブログや社会運動としてのグローバル気候マーチや理解促進のためのワークショップを開催していく。
2人目は、岡山理科大学生 畑田 郁華さん エネミラに所属し、親子を対象とした自然エネルギー普及のための野外活動、空き缶でご飯を炊いたり、太陽光を利用した調理器具ソーラークッカーの作成をしたりしている。
代表廣本さんと共に、3月京都で行われた「グローバル気候マーチ プレイベント」に参加、グレタトゥーンベリさんの行動に感銘を受け、岡山でもアクションを起こしたいと思った。準備期間は短かったが、「グローバル気候マーチイン岡山」を9月20日実施した。参加人員の目標30名に対し、53名もの参加者があった。 声を出すたびに感じる爽快感、程よい緊張感をリーダーとして感じると共に、大勢が団結して一つの事を行う素晴らしさを体感出来た。
参加した友人たちも楽しかったという発言があった。今後、直近は11月25日にも開催するので、プレイベントの実施やシュプレヒコールのバリエーションを増やしたりして、市民、特に若者、政策決定者に気候変動の危機、緊急性をアピールしたい。
気候変動への若者や周囲の関心を高めるべく、一生懸命取り組む姿が印象的な発表でした。
続いて、40代前半の岡山で活躍する3人の活動家から応援コメントを貰いました。
1人目は、柏原 拓史氏 環境保全事業団の出先 「環境学習センターアスエコ」で県民の環境意識を高めたり、環境に関する人材育成に関わったりしています。それだけでなく、若者の社会教育に関わる活動を行う「NPO法人だっぴ」の理事長としても活躍しています。
その思いは、「良い出会いは良い人生を創る」。中学生を主な対象に大学生をハブ人材として、地域の大人と中学生が人生について語り合う場を提供しています。大学生は200人が登録をしており、これまでに2000人の中高生がその機会を得ています。
若者たちを次の時代を創る担い手に育てて行くためには、大人たちが「経験・人生を語る協力」をすることとファイシリテイトする若い大学生自身が、「社会に必要な事をしている認識」と「楽しくできる環境(居場所、手応え)」が重要と語りました。
二人目は、SDGsネットワークおかやま会長(岡山NPOセンター代表理事、他役職多数)石原 達也氏。
子供の頃、父親に連れられ山中泊のキャンプを良くしていた事が原点で、環境レンジャーを目指し公務員試験に合格するも環境省の採用が無く、大学に進学。子供向けプレイパークをするうちに、貧困差の実態を知り、人の可能性を広げるべく、「人が活躍する環境づくりを応援」したり、「その仕組みを作る」ことに興味を覚え、今に至るという話を語りました。
パネルのテーマ「若者がこれまでの環境団体に参加しない」事については、志が同じ方向であれば、これまでの団体とは別に若い人がやりたい団体を作り、志を受け継いでも良いのではないか。ただし、大人たちは、何も応援せずに若者に押し付けるのは無責任なので、経験やノウハウを語り、ぜひ応援をする必要があるのではないか。
当日の発言は無かったのですが、柔軟に、様々な人・組織と連携をして社会を良くする活動を展開する石原氏は、社会動向に常に敏感であるので、今後岡山での気候変動グローバルマーチで活動する若者とSDGsネットワークおかやまの中の若者部会とがつながりを持って活動が広がる事を期待しているという事です。
3人目のパネリストは、井筒 耕平氏 西粟倉村で自然エネルギーの会社と宿泊業を経営しています。幼い頃から親に連れられて市民活動でデモに参加していたという異色の経歴の持ち主。モーグルと練習船に明け暮れた大学時代。一旦就職するも、環境系を学びたいと大学院へ。そこで「田舎はエネルギーがどんな風に回っているのかが見えやすい」と、先生と共に中山間地行った事が元で再生可能エネルギーに関する道へ。林業とバイオマスに出会い、環境コンサルティングの仕事をして現在に至っています。昨年からは一応仕組みが出来たと神戸に拠点を移しています。井筒氏曰く、俯瞰が大事。
3人の応援コメントが終了したところで、パネルディスカッションを新たな形にすべく、参加者が4~5人のグループに分かれ、老若男女混ざり合って、グループ討議を行いました。「どうやって若者をサポートしていくか」がメインテーマ。15グループほどが熱心に検討。
全グループの話は聞けませんでしたが、 気候変動に危機感を持ち、行動している人、行動を広めたい人、その活動を支援する人など様々な立場の人が集まった会議でしたので白熱したものとなりました。
若者の活動支援と、再エネの急速な拡大による温暖化対策、SDGs目標達成:「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「気候変動に具体策を」「つくる責任使う責任」「住み続けられるまちづくりを」と併せて今後も『行動する若者を増やし・支援する』と熱い思いが感じられた分科会でした。


