「SDGsと防災」

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こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
今回は、SDGsと防災というテーマで、2019年6月30日に高梁市で開催されたシンポジウムのご紹介です。
主催は、公益社団法人日本青年会議所 中国地区 岡山ブロック協議会です。
第1部の基調講演では、岡山大学 横井副学長が「岡山におけるSDGs推進」というテーマでお話をされました。横井副学長は、同大学だけでなく、日本のSDGsの達成を目指して、先頭に立って牽引されている方です。

 冒頭こんな話から始まりました。 「95%」・・・世界の全災害のうち水が関連するもの
 85%・・・全水関連の災害の内 アジアで発生している割合。 つまり、水害のほとんどはアジアで起きている。 国連でも、2018年~2028年を「水の国際行動の10年」と位置付けている。
持続可能な社会づくりを考えると「防災・減災」が非常に重要となる。 災害発生により、「社会」「経済」そして「環境」は大きなダメージを受けるが、「予防投資」をすることによって、それぞれのマイナスを減らし、立ち直りを早くすることは可能。

・「今、あるもの」と」「ありたい姿」をつなぐのが「SDGs」。
・SDGsは世界がすべて取り組む目標となっている。なぜ、世界で取り組むのか? それは、もうこのままでは、世界が持たない、待ったなしの状況になっているから。
・人類は地球の生物資源を枯渇させており、今は世界平均で1.7個の地球がいる暮らしになっている。(エコロジカルフットプリントの考え方。1年間に消費した生物資源が元に戻るのに1年8カ月かかるという意味、人間がどれだけ地球の土地を踏みつけにしているかの数値。)
・SDGsでは、地球の「環境」があって、そこに「社会」があり、「経済」を営むという構造になっている。 
世界共通の目標であるが、法的拘束力はない。「できることから取り組む」そして「誰一人取り残さない」という「個人の単位」で考えるものとなっている。

・SDGsは企業にとっては「ライセンス」的な意味を持つ。背景に2つの動きがある。
国際社会は、CSR(企業の社会的責任・対応)とSDGsの両立から、SDGsを本業として取り組む動きとなっている。 ESG(環境・社会・組織統治への取組を評価する)投資がどんどん拡大している。
世界の投資総額の1/4 2500兆円が環境に関するものとなっている。
・若い世代の意識が確実に変化している。「ミレイニアル世代・Z世代」(1980年代から1990年代前半に生まれた世代・1990年代後半~2000年代初頭生まれた世代)だからこそ、その世代がメインの顧客であるスターバックスは赤字でもすぐにプラスチックストローを止めた。
 この世代の環境や社会への意識はとても高く、就職の動機は「社会貢献」×「自己成長」にある。(企業にとってはSDGsへの取組は今や不可欠だ。)
・Z世代と呼ばれる若者は、今の社会の急速な転換を求めている。その代表であるスウェーデンン人の女子学生グレタ・トゥーンベリ、環境の国際会議COP24で今の大人世代の責任の追及と行動の変革を求めたが、それだけにとどまらず、地球温暖化対策の実施を求めて毎週金曜日の授業をボイコットする活動やデモは、世界へ100か国以上に広がっている。

・2018年はSDGs取組みが強化された年だった。主な出来事
経団連は、Society5.0(IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出す)を提唱し、オリンピック、大阪万博においてSDGsの達成に繋げようとしている。

・地方創生とSDGsをリンクさせている。SDGsジャパンアワードで表彰されたのは、地方や、中小企業でが多い。
・今後、インバウンドとSDGsのつながりも見逃せない。 

・今後は、SDGsのローカライゼーション(現地化・局地化)が重要。あくまで、SDGsは、ガイドラインであり、「どうする」についてはコンサルティングが必要となる。岡山大学は地域のローカライゼーション実現に役立つ大学。ESD(持続可能な開発のための教育)教師教育ガイドラインを世界で最初に作った。

・SDGs達成のためには、ロードマップを描き、あるべき姿からのバックキャスティングを行い、アウトサイドイン(社会課題から自分を見る・社会課題を自分事としてとらえる)、オープンイノベーション(異業種・異分野の技術・知識・アイデアなどの組み合わせによる革新的ビジネスモデル)が出来るので一緒に取り組んでいただきたい。

第2部:バネルディスカッション  テーマ:「SDGsと防災」
 パネラー:高梁市長 近藤隆則 氏、岡山市役所 ESD推進課課長 小川卓志 氏、萩原工業株式会社 代表 
取締役社長 浅野和志 氏、公益社団法人倉敷青年会議所 地域開発委員会委員長 榊原浩太朗 氏

< パネルディスカッション要約 >
災害には、自然災害と人災がある。特に高齢者は被害者となり易い。災害に当たっては、まず人命を考える事が重要。 点検・チェックを行い備える、災害が起きたら修復・再建へと進むが、避難施設の準備や避難訓練というハード・ソフトの組み合わせをすることで、防災・減災に繋がっていく。
「SDGsと防災」のポイントは、準備(予防) ➔ 復旧 ➔ 復興 ➔ 目指すゴールというフェーズで課題を現地化すること。

・高梁市の昨年の豪雨水害は、これまでの対策をはるかに超えるものだった。これまで電力供給に貢献したダムの放水が氾濫に影響した。災害後は、全国から多くのボランティアが駆け給水、復旧作業を行ってくれた。
・上記の経験を活かして、災害発生時に高梁市の72時間対応タイムラインを全国で初めて作った。
災害経験都市高梁市の事例がビルトバックベター(創造的復興)の参考となる。
・現在、「高梁市復興計画」を策定中、人づくりがポイントとなる。
①市民生活の再建 ②災害に強い安全・安心なまちづくり→夢を持って住み続けられるまちを目指して
③産業・経済の再生  

・岡山市も床上浸水3256戸、床下浸水4239の被害を受けた。東区の砂川100m決壊し250号線が浸水した。現在、防災教育の取組を地区公民館(地域の防災リーダー養成)、小学校で行っている。
・復興支援では、被害を受けた子育て世代の親子の支援のため、「助け合うお母さんの会」を結成し、22団体の協力を得て西日本豪雨災害支援ボランティアとして「自由遊びひろば」を開催。第3回 おかやま協働のまちづくり大賞を受賞した。

・萩原工業は、企業の中期経営計画とSDGsの連動を図っている。 基本方針との相関図を策定中。
熊本と鳥取地震復興の協力から始まった「復興支援ブリッジくまもと」(使用済みブルーシートをボランティアが洗浄し、バッグを製作販売し被災地の復興を支援)に倣い、ブリッジオカヤマ運動を支援している。
(資源再利用・復興支援義援金・災害の象徴)➔使わないものに価値をつける「アップサイクル」は、リデュース、リユース、リサイクルの次に来る活動

・倉敷青年会議所でのSDGsの取組は、SDGsカードゲームにより理解をし、倉敷市内小学校でSDGs出前授業 識字が無い場合のリスク体験・個別企業でのSDGs推進5社で実施。 イベントで、SDGsと農、水、大原美術館などを開催している。
・災害ボランティア支援では、救援物資の何を被災地の何処に届けるか、ニーズ把握が必要と感じた。
・これからは、「自助」、「共助」、「公助」が大切。これまで、自治体にだけ頼っていたが、自分の命は、自分で守ることが必要。高齢者が被災者になり易い可能性があり、立場の弱い人にとっては、共助も重要となる。

所感ですが、SDGsは立場の違う人・組織が課題を解決し、取組みをするための話を円滑に進めるための共通言語であり、SDGsを共有して、異なる立場の人々が協働して情報を共有し、災害の予防に努めることが
まずは重要です。
例えば、復旧現場では、土木機械を使い復旧を進めますが、その燃料を運ぶために、建設会社ごとに契約しているタンクローリーが、往復4時間もかかる状況があったと聞いています。情報の共有により、タンクローリーの集約が出来れば、もっと効率的な復旧ができたのかもしれません。それだけに防災・復旧・復興に関わるさまざまなステークホルダーの関与、情報交換・共有、対策協議が重要と今まで以上に感じました。

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