「いよいよ始まったプラスチック規制」
地域課題・社会課題環境
こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
今回は、企業にとってより重要な問題となる使い捨てプラスチック規制についてのお話しです。
勿論、消費者にとっても今後、消費スタイルを転換しないといけない局面がいよいよやってきたということになると思われます。
9月23日の地元新聞に紹介された衝撃的な記事があります。
「プラごみ対策企業に要求」世界最大級の年金基金方針 投資先選別
世界最大級の年金ファンド ノルウェー政府年金基金は、深刻化するプラスチックごみによる海洋汚染対策など海の環境保全の取り組み強化と関連情報の開示を求める方針を決定。それにより、投資先の選別を行うというものです。同基金は、地球温暖化に悪影響を与える石炭関連企業への投資は既に引き上げており、今回の発表を受けて、世界を挙げて地球環境問題への取組が加速する事になりそうです。
深刻化するマイクロプラスチックの海洋汚染や漁業資源の乱獲防止などを求める内容もこの方針には含まれています。同基金は、日本にも数兆円規模で投資をしているとのことで、プラスチックの生産・販売そして漁業に関わる企業にとっては資金調達に影響が出るであろうとしています。
具体的には、投資先の取締役会を対象としたもので、「海洋保全を企業戦略に位置付ける」「海の環境悪化をリスク管理の対象に加える」など20項目が挙げられています。
例えば、自社の活動が海の環境に与える影響を調査し、サプライチェーン全体を通じて汚染低減に取り組むことを要請しています。
また、プラスチック業界には、リサイクルの推進を求めています。食品、飲料メーカーに使用済みプラスチック容器による環境影響の緩和策などの開示を求めています。
海の魚を扱う企業に対しては、違法操業、乱獲、資源量が少ない種の漁獲が排除されている事を継続的に確認するように要請しており、実施した対策を株主、社会に公表することも求めています。
これまで、マグロやウナギなど資源に問題のある魚に関しては、国間の交渉などが行われてきましたが、今回の発表は、1企業ごとへの制約を課すような内容なので、企業の対応は、これまでより厳しいものとなると見られます。
東京オリピックが2年後に開催されますが、海外からの観光客に和食ブームだと言って、マグロやウナギを平気で提供するということが出来にくい事態になる可能性もあります。
プラスチックに話を戻します。国内でも、自治体レベルでプラスチック削減の動きが始まっています。
9月4日に神奈川県が 「かながわプラごみゼロ宣言」を出しました。
マイクロプラスチックによる海洋汚染の認識と、世界中に展開している飲食店でプラスチック製ストローを廃止する動きをベースに、鎌倉市由比ガ浜でシロナガスクジラの赤ちゃんが打ち上げ
られ、胃の中からプラスチックごみが発見された事を引き合いにして、SDGs未来都市である神奈川県は、これを「クジラからのメッセージ」として受け止め、深刻化する海洋汚染、特にマイクロプラスチック問題から、SDGs推進に取り組みます。プラスチック製ストローやレジ袋の利用廃止・回収などの取組を神奈川から広げていくことで、SDGs達成に向け、2030 年までのできるだけ早期に捨てられるプラごみゼロを目指します としています。
企業にとってはこれまで遠かったSDGsと自社の事業との関わりが一気に現実的なものとなってきました。自治体がこのようにプラごみ削減に取り組む背景には別の側面もあります。
フィリピンでは、ポリ袋禁止条例広がっています。元は、台風がマニラ首都圏のモンティンルパ地区に甚大な被害をもたらした。災害後の後片付けで、ポリ袋ごみが排水システムを詰まらせ、被害をさらに悪化させていたことが分かった。
ということで、首都マニラを始め、複数の自治体がポリ袋禁止条例を定めています。ある自治体では、繊維製品へのポリ袋使用の禁止、樽や瓶に入れられた液体商品へのポリ袋使用の規制、同市での発泡スチロール使用の禁止、それに関する罰則規定)を採択しています。
この条例により、包装材としてのポリ袋の使用の削減・廃止をめざすとともに、代わりの包装材(布や紙、バナナの葉などでできた袋)の使用を促進するものです。また、「マイバッグ持参」も推進することになります。
ケソン市では、「ポリ袋の使用に対する効果的な規制」を目的とした条例を採択し、ポリ袋の使用に対して徴収する料金をグリーンファンドへの投資に充てる、ポリ袋を使用する企業に対して、顧客にマイバッグを持参するよう促すポスターなどを掲示するよう依頼する、さらに、リサイクルバッグを使えばポイントを与える仕組みを実施する、といった取り組みを始めた。
そしてこのような自治体の取組の動きを支援しているのが、NGOのエコウェイスト・コーリションという団体です。ポリ袋禁止条例の採択を加速するために州や都市が当てはめられる条例の書式をつくって、自治体での取り組みを支援しています。
これは、対岸の火事でしょうか? いえ、黒船がやってきたと言える状況ではないでしょうか?
今年、6月初旬にカナダで行われたG7サミットで、日本はアメリカに歩調を合わせて、海洋プラスチック憲章への署名を拒みました。いつまで、逃げ切れるでしょうか?国が動かないならば、企業を動かすと投資家が動き始めたのです。自治体がそして、NGOが動き始めています。
企業も事業継続のためには、社会的責任をより一層果たすことが求められる時期に来たように思われます。
