持続可能な社会をつくる いい会社の条件とは2

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こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
今回は、3月6日に開催された「消費者志向経営セミナー」(岡山市主催、運営NPO法人岡山NPOセンター)3回シリーズの第2回目の講演会内容をご紹介します。前回の講師、鎌倉投信が投資されている企業の一つ、 IKEUCHI ORGANIC株式会社です。
講演内容を元に分かり易さをプラスするために、一部講演では話されなかった文章を補足していることを予めご了承ください。
講師は、 IKEUCHI ORGANIC株式会社 代表取締役 池内 計司様です。同社は愛媛県今治にあるタオル製品製造メーカーです。今年で創業65周年を迎える同社は、製品の全てがオーガニックコットンです。オーガニックコットン製品とは、3年以上農薬を使っていない畑で遺伝子組み換えでない種で、無農薬、無化学肥料で育てた綿花を使って、製品にする際にも出来るだけ薬品を使わない工程で作られたフェアトレード(児童労働も含まない)のものを言います。

同社の安心安全に対する配慮は、一般衣料品に求められる基準をはるかに超えています。一般的に、製品の環境面、品質面での規格はISO14001,9001とありますが、衣料品の基準でなく、赤ちゃんが口に入れても安全な基準であるエコテックスの安全基準で一番高いランク4もクリアしています。同時に、食品に適用される基準ISO22000にも適合する商品を作り続けています。綿は食品のように腐らないので消毒剤は使いません。この姿勢こそが、会社の経営の根幹をなす部分です。

オーガニックコットンの認証には色々な認証組織があるのですが、同社は、スイスREMEI社が認証するタンザニア産のオーガニックコットンを使用しています。紡績は、インドで行っています。どこの畑で作られたもので、どの工場で糸になったのかなどきちんと追跡・検証(トレーサビリティ)が出来る仕組みが整っています。同社のオーガニックコットンのタオル製品の特徴は、染色をして、色を付けている事、反応染料が今現在は、安全。カラードオーガニックコットンについては、業界でも賛否両論があるようですが、それだけに前述した安全性の基準を設け、製品だけでなく、染色の際の廃液にも十分に配慮をしたモノづくりを行っています。現状天然原料での染色廃液をローインパクトにする技術が無いとの事です。オーガニックコットンについては偽物ビジネスもある。シールがあれば安全ではない
のでよく注意をしてほしいとの付け加えもありました。

オーガニックコットンという言葉が初めての方も多いのではないでしょうか?それも納得できる話で、実はオーガニックコットンの生産量は世界の1%、残りの綿の99%は遺伝子組み換えの綿や大量の農薬、化学肥料、枯れ葉剤などを使って育てられた綿なのです。遺伝子組み換えの綿は収穫後の茎を飼料として豚に与えると2週間で死んでしまうという恐ろしいものです。私たちが知らないだけで、生産現場ではとんでもない事が起こっているのです。

イケウチオーガニックのタオル製品を作る電気は全て、再生可能な風力発電で作られたものです。それだけに環境価値も高く、アメリカで人気を博し、日本に里帰りの形で認められるようになりました。
東京、京都、福岡の直営3ショップの他、全国各地の取り扱い店やWEBストアで売られています。
店舗や商品の詳細、オーガニックに関する情報、企業情報はホームページよりご覧下さい。

同社の基本ポリシーとして、「永久定番商品」を作り、販売し続けるとの事。モデルチェンジは有りません。1点当たりの価格が高いので、一気に買い揃えることは難しいので、じっくり変えて行ってくださいとの思いも込められているとの事です。それだけに顔の見えるユーザーが半数いるとのことで、息の長いお付き合いともなっているようです。不思議な事にショップでは男性客が多いとの事、どうやらこれは、価格が高いので男性のクレジットカードを使っての購入が多いことの裏返しではないかと言われていました。

講演スライドの中にSDGsに関しての記述がありました。自社は目標12番作る責任、使う責任に特化しているとの事そのために全ての工程を公表しており、昨年からはお客様に今治オープンハウスとして
日帰りバスツアーで工程を見て頂くイベントの開催を始めたとの事です。
タオル購入後のアフターケアとして、地元のお客様のタオルを洗うサービスを開始、これには、免許が必要だったので取得し、同時に「タオルドクター」「タオルクリニック」の商標登録も行い、アフターケアについても事業を開始したところです。

会社の歴史の話では、民事訴訟を値切って900万円で行ったこと、それにより現金決済に代わっていったとのことで、これがまた新しい事業を始める事に繋がったそうです。
そして、社員の話になると中途採用が多く、現在では1/2以上になり、とにかく個性的な社員が多いとの事、中には3回出て行っても帰って来る社員もいる。現社長の阿部氏は10年前に最初に中途で入社した社員との事です。 この春、久しぶりに地元の高校を卒業した社員が入社するとの事、会社の理念に、事業に共感しどうしてもイケウチオーガニックで仕事をしたいと門をたたいたとの事で、面接で採用を決めました。

人材育成はどうしているかとの質問に、エンドユーザ―が職人と話すと勝手に社員が育つとの答え、そして経営理念は毎朝、社員に伝えているとの事です。社員が勉強したいと言ったことは応援をしているというのも、自主性を重んじる同社の社風の一つであるようです。

後半の質問で、何を売っている会社?に対しては、想いを売っている会社と答えられました。
オーガニックコットンの先にある経営理念が垣間見られた回答です。
最後にいい会社の条件とは?の質問に「ORGANICな会社を作りましょう」ということでした。同社では、原材料、加工、社員、資本家にとって気持ちのいい会社、関係性をORGANICにしましょう。と定義づけているとの事です。
ORGANICな社会づくりに向かって、ORGANICな関係性を事業を通して実現しようとする会社であることを肌で感じた講演会でした。

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