持続可能な社会をつくる いい会社の条件とは 1

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こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
今回は、2月16日に開催された「消費者志向経営セミナー」(岡山市主催、運営NPO法人岡山NPOセンター)3回シリーズの第1回目の講演会内容をご紹介します。
講演内容を元に分かり易さをプラスするために、一部講演では話されなかった文章を補足していることを予めご了承ください。
講師は、鎌倉投信株式会社(以下鎌倉投信) 取締役 新井 和宏様です。知らない人は投資信託会社って胡散臭い?! なんて印象を持たれるかもしれませんが、とんでもない誤解、同社は、本当に持続可能な社会をつくるために活動する会社を投信という形で支援する会社でした。

会社だけでなく、NPOの活動 についても言及されて、参考になりましたので、ご紹介します。
会社もNPOもその根本の存在は同じ:社会課題を解決するために存在している。それを事業として営むのであって、自分の利益だけ、自分の思いだけで活動することは意味が無い。
キーワードは、「共感」「感動」 そのためにどう組織をつくるか、どれだけ自分事にするか。
社会に付加価値を提供できないと持続可能ではない。企業・NPO共に経済性(事業性)と社会性の両立が必要である。NPOは、どうやって持続可能な資金調達をするか。企業は社会性を求められている。NPOにしても、事業の成果を数値化することで広く可視化ができ、持続可能性が高まる。

以下、鎌倉投信・新井氏の考え方に関する情報、社会の変化といい会社の事例をご紹介します。
◇鎌倉投信・新井氏の考え方に関する情報
「誰かの犠牲の上に成り立つ経済を終わらせよう」を本気で考えて行動している。リーマンショックの後に起業した同社は、投資信託のリターンの定義をこれまでのものと全く違うものとしました。
投資へのリターンは「幸せ」その構成要素は、
資産形成(お金)×社会の形成(どれだけ社会に貢献できたか)×心の形成(自分のお金が価値を生んだ実感) このどれ一つが欠けてもいけない。
1鎌倉投信株式会社ホームページ
http://www.kamakuraim.jp/
2鎌倉投信・新井氏の考え方に関する情報
・NHKプロフェッショナル仕事の流儀 新井和宏 信念の金融 2015年
Youtubeサイト:https://www.youtube.com/watch?v=TA1YABWJViw
3著書  「持続可能な資本主義」
同社は、鎌倉に所在し、敷地には、畑、田んぼ、山があり、社員が手入れをしているとの事です、スタッフのブログでその模様は拝見することができます。金融機関は裏方でなければならない、自分たちも企業を支える以上、実施体験する必要があるとの考えで実行されています。

◇社会の変化
いい会社(組織)が持続するためには、社会の変化にも目を向けていく必要があるとのことで、
今社会では、4つの変化があるということです。変化への対応が無ければ持続可能性が危うくなるのでその点は、注意をする必要があります。
社会の4つ変化「価値観の変化」「ものサービスの飽和」「行政の変化」「可視化の進捗」
「価値観の変化」 
若い世代の意識は、所有の意識が違ってきている。モノは借りる、シェアするという意識を持つ人が増えている。同時に社会に役立ちたいという意識を持つ人が増えている。
高校の社会の教科書に掲載されている「日本環境設計株式会社」は、地上の石油を原料に作られた商品をリサイクルして、石油に戻す技術を確立しており、社会にごみはない全てが資源だと若い世代は教科書を通して学んでいる。

「ものサービスの飽和」 
社会がこのような状態になっている現在、以下3つの戦略の内、どれかが無いと生き残れない
・価格で徹底的に勝つ 資本と徹底したコスト削減が出来ないとできない 業界1強の企業
・イノベーションの実行 比較するものが無い価値を商品・サービスで創る
・ファンを作る 例えば「趣味の世界の商品」価格という合理性でなく。好きだからという非合理的な価値で支えてくれる。
イケウチオーガニック株式会社  愛媛県今治市のタオル製造会社 かつて、連鎖倒産の危機の際に
何枚お宅の商品を買ったら会社が続くのかと言われ、ファンが支えてくれた。
原材料の調達から最終製品に至るまでの安全性と環境性のデータを全て公開している企業です。
ホームページ https://www.ikeuchi.org/
次回の消費者経営セミナーの第2回目のゲストで池内社長が講演されます。

「行政の変化」
高齢化、少子化を背景に、行政は「地域のインフラ整備は企業に任せたい」方向へ
NPO は自活をする必要性が高まる。例えば休眠口座のお金が年間500億円あり、これは社会のために使うことが可能となるが、「効果を可視化」できない組織にはお金は回って来ない。
(社会的インパクト評価が求められているということだと ゆうあいセンター小桐は考えます)

「可視化の進捗」
ITテクノロジーの進化により色々なものが可視化されてくる。この10年は様々なものが可視化されてくる。オムロンでは、笑顔認証技術から街の犯罪を防ぐことに繋げる。人と人の繋がりが無いと笑顔がなくなり、犯罪が増える。可視化技術で脳波を検知し、それ元に会社の雰囲気が変わる。

◇いい会社の事例
・耐久消費財を購入する際はメンテナンスポリシーを確認して、購入するのが良い。
アメリカのアウトドアメーカー パタゴニアでは、10年間着用された服を修理に持ってきた客に対し、その商品の修理が出来ないことを詫びたその後に、代わりに新品を持って帰ってほしいと言った。
何故か、修理をするのは自分たちの仕事、しかし、修理ができないことは、責任を果たせないということ。だから、申し訳ないが、愛着のある服の代わりに同じ機能の新品を持ち帰ってほしい。
これが、究極の顧客志向ではないかと新井氏は説明。服は、パタゴニア製品を愛用し、宣伝しているとの事です。なお、パタゴニア社は、思いだけのNPOには投資はしない、きちんとした結果が出せる相手でないと取り組まない方針との事です。

・共感、感動で地域を変える・・・いかに自分事として捉えるか
長野県 伊那市にある菓匠シミズ かつて、町で家族内の殺人事件が起きたとき、この事件は、自分たちの責任だと考えた。もし、自分たちのケーキがその日、その家庭の食卓にあれば、悲しい出来事は起きなかったはずだ。そこで、夢を持てば人は輝く。夢は必ず叶う。の思いから「夢ケーキ」を作り始めた。
ホームページ http://www.kasho-shimizu.com/
企業の本業は社会と繋がり、地域と繋がっている。本業を何処まで拡大解釈して、社会への責任を果たすかが大切。

・障がい者が活躍する企業
食品トレー製造販売そして、トレーリサイクルを実施する株式会社エフピコ 広島県福山市
はグループ全体で障がい者が374名勤務しており、全員が正社員です。障がい者の雇用率は14.56%(法律では2%雇用が義務)中でも、重度の知的障がい者が70%も元気で働いています。彼らは働くのが楽しく、早く月曜になってほしいと思う人が多いとか、有給休暇を取得してほしいと言ってもなかなか休んでくれないという悩みも抱えているそうです。社長がうれしいのは知的障がい者
の方々が会社の決算書を読めるようになり、自社が儲かっていると理解できるようになったとの事です。障がい者は馬鹿じゃない時間がかかるだけだと熱心に教育をされた成果です。社長の佐藤 守正氏は、自社以外の60社の顧問をされていますが、障がい者を正社員として雇用するという条件が飲める企業だけに絞っているそうです。その原点は、自身の親御さんが障がい者だったということです。
ホームページ http://www.fpco.jp/about/company.html

・日本の経営者は一度は訪問すべき企業・・・会社は社員の幸せのためにある
社員満足から社員幸福の追求
伊那食品工業株式会社 実行して当たり前意識が外に対して高く、やってもらって当たり前の意識が自分に対して低い、感謝のみの企業風土。 始業前の自主的な掃除、当番も担当部署も決められておらず実施。汚れていたら恥ずかしいからと休日の日さえも掃除にやってくる社員。
信号機を作って自治体に寄付。
ホームページ http://www.kantenpp.co.jp/corpinfo/index.html

このほか、未来工業株式会社(愛知県)、カゴメ株式会社(愛知県)、サイボウズ(東京)などの紹介がありました。
最後にAIの話があり、AIは愛が分からない、一期一会を大切にするのは人間だけ。今後、高所得者の仕事からAIに置き換わっていく。これからは優しさに秀でた本当の意味の優秀な人間の仕事が残るという話がありました。
企業の本業は社会と繋がり、地域と繋がっている。本業を何処まで拡大解釈して、社会への責任を果たすかがこれからはさらに問われる時代になりそうです。

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