新着CSRレポートのご紹介 セコム・マツダ・ユニクロ・コムシス
地域課題・社会課題その他
こんにちは、ゆうあいセンターCSR相談員 小桐です。
今回は、ゆうあいセンターに新しく到着した4社のCSRレポートのご紹介です。
各社それぞれに工夫を凝らして情報を開示されています。返信アンケートも挟み込まれ、双方向のコミュニケーションに配慮されています。
最初にご紹介するのは、警備保障で日本を代表するセコム株式会社です。セコムしてますか?のCMをご存知の方も多いはず。同社は、コミュニケーション冊子として「CSRレポート」と「リクルーティングガイド」の2種類を発行されています。
CSRレポートは、トップメッセージに始まり、5つの特集記事の後に、セコムのCSR,戦略的CSR、基盤的CSR、最後に第3者意見や編集方針、グループ概要を掲載されています。特集1では、セコムグループ2030年ビジョンを掲載されています。同時に自社が関連するSDGsの目標についても記述があります。特集の後、自社のCSRのスタンスを明確に表現し、重要課題として、戦略的CSR:自社のビジョン実現に向けた事業の取り組み、基盤的CSRとしてISO26000の7つの中核課題を自社なりに5つに統合分類し、夫々の取り組み状況が記載されています。
最後にCSR、社会から期待される姿について外部のCSRに関する有識者2名による対談形式のアドバイスを掲示しており完成度の高いレポートになっています。ただ、印象として、基盤的CSRに関する取り組んだ内容の報告のボリュームや進捗、課題記述などが少ない感じです。
2番目は、マツダ Be a driver のCMでよく見る自動車メーカーです。コーポレートビジョン、トップメッセージに続き特集として、新開発エンジン、新車種の紹介。自社のCSR課題を顧客、品質、安全、環境、社会貢献、人間尊重として取り組みを紹介しています。後半部にマツダのCSR、歴史概要などがあります。特集で、EVやFCVでなく内燃機関の駆動かについて燃料採掘から車両走行までの間での温室効果ガス発生抑制効果について記載をしています。
感想としては課題については、整理されているもののISO26000への取り組み、SDGsと自社の関係性は記載が無く、いずれかのCSRレポート作成ガイドラインを参考にすると、さらに理解しやすいレポートになると思われます。
3番目は、ユニクロことファーストリテイリングです。日本で最大のアパレルとなり、世界でも多数の店舗展開をする同社は毎年CSRレポートを発行しています。GRI(サステナビリティレポーティングガイドライン4.0)を参考にした構成です。トップメッセージ、企業理念、ステートメント、SDGsと絡めた重点領域の記載が有り、続いて特集3つと4つの重点領域に関する説明があります。最後は企業統治、企業概要で締めくくっています。重点領域の「商品」では、原材料調達・生産における社会・環境への配慮という課題のほかサステナブルな商品づくり、社会環境に貢献する商品やライフスタイルの提案が挙げられています。その具体的説明ページでは、課題の選定理由や目標とする状態や値がわかり難い部分があります。例えば、社会との共通価値としての商品の視点を付加たり、CSRレポートの作成ガイドラインやISO26000の視点をプラスするとさらに良い取り組みが出来るようになると感じました。
最後は、コムシスグループCSRレポートです。通信建設業界のリーディングカンパニーで、通信インフラの建設・整備事業が基幹です。6つのコア企業とそれぞれの関係会社からグループが構成されています。
グループ紹介、CSRの取り組み・重要課題の取り組み状況、特集2つ、に続き活動報告、財務報告、CSRの歩みという構成です。参考としたガイドラインとしてGRI、環境省の環境報告書ガイドライン、ISO26000が挙げられていて分かり易いと思われます。SDGsとの関係性の記述を自社事業とプラスするとさらに共感を生むレポートになると思われます。上下見開きという印刷形式は取り扱いやすさという点では、残念な形式です。
以上4社のレポート紹介ですが、その内容とともに、見やすさ・読みやすさ、取り扱い易さへの配慮もまた、読み手の印象に関係することが解りました。送り手からのメッセージ性が強いほど、独りよがりになり易いので読み手とより良いコミュニケーションができ、都合の悪いことも報告する姿勢が望まれます。ゆうあいセンターのCSR図書コーナーに配架していますので一度ご覧ください。
