CSRとNPOの関わり

地域課題・社会課題環境

Noboru Ogiri

こんにちは、ゆうあいセンター CSR担当 小桐です。

先週は、岡山の地元企業のCSR活動によるESD(持続可能な社会づくりのための教育)についてご紹介しました。そのうち『木材』に関係した服部興業株式会社 の社有林を訪問したり、倉敷木材株式会社で木の利用についてお話を伺う機会がありました。
植林した木を伐採して、木材として切り出し、加工し、住宅材や家具などの材料として加工されるためには、長い時間をかけた手間と、持続的な活用をするための木や森の循環が必要な事を体験しました。

今週、CSRの雑誌オルタナを読んでいると「木と紙のリスクはグレーゾーンにあり」と言う記事がありました。読み進むうちにCSRの実践のためには、NPOとの関係が欠かせない感じましたので、今週ご紹介します。

現在、世界の木材貿易の10~30%が違法伐採の木材であると言われています。その金額約16兆円だそうで、各国政府は違法伐採の法的規制を強めており、日本でも今年5月に「グリーンウッド法」が成立しました。 正式名称「合法伐採木等の流通及び利用の促進に関する法律」で5月20日に公布され、1年後の来年2017年同日より施行されます。

ただし、この法律は違法木材の使用や流通に関しての罰則規定はないため、骨抜きとの声も上がっています。この法律では、自主的に登録した業者のみ合法性を証明する必要があるとのことで、登録しない事業者にはその必要はないというものです。これに関連する製紙メーカー、商社、住宅メーカー、ゼネコン、家具メーカー、ディベロッパーなどは、登録については検討中であったり、無回答と言う現段階での状況です。

では、木材産出国の現状はどうなっているでしょうか?
NGO熱帯雨林行動ネットワークやオーストラリアのNGOマーケットフォチェンジによると「日本は、違法伐採が疑われるマレーシア・サラワク産合板の55%を輸入する最大の輸入国だとしています。
熱帯雨林は当初の5%しか残っておらず、先住民族の暮らし、生態系の破壊などに大きな影響を与えている。先住民は同州の人口の半分を占めており、これまで土地の慣習権違反の訴えだけでも200件以上起こしています。

世界では、2005年に違法伐採に取り組む合意が形成され、アメリカやEUでは法整備が進められています。日本では、やっとこの度法制化されました。
「違法伐採が無くならないのは、安いから買う消費国が存在するから、根絶するには消費国に訴えることが大切。そうすれば密輸もなくなるとしています。」日本でも政府関係のグリーン調達はこれまでも行われていましたが、民間への規制はありませんでした。 今後日本が骨抜きの法律で煮え切らない態度をとると、世界からの圧力がかかってきます。

林野庁は、以下の3つのガイドラインを設け合法の証明としています。
①森林認証(SGEC、FSC、PEFC)で証明する。
②業界団体の認定を受けた事業者が証明する。
③事業者独自の取り組みで証明する。     
しかし、この仕組みでは、サプライチェーンや事業者が合法と証明書を発行すればたとえ違法でも堂々と流通することが可能となります。
法律に抵触しない限り、企業は、究めてグレーでも白とみなします。それは、常に伐採地の住民やNGOからのバッシング・告発のリスクを背負ったものになります。

企業が社会的責任を果たす上で、外部のステークホルダーであるNPOやNGOからの指摘や協働の取り組みは重要です。バッシングや要求だけでなく、会社の持続可能な在り方をNPOが企業と共に共通した社会課題の解決に取り組む事で、企業に対する利害関係者の理解が高まり、安定した経営につながり、地球の環境にも良い影響があると考えます。

服部興業株式会社の社有林は、針葉樹の林や広葉樹の森など色々な場所があります。
これまで日本の林業が、安い外材に押されて衰退してきましたが、上記のような背景の元、日本の森の木を使い、育てることで、雇用が生まれ、環境が改善されます。
本業を通して社会に貢献できることをNPO・NGOと共に社会課題の解決の視点で考えていけば、互いにハッピーな関係が構築できるのではないでしょうか。
NPOの活動が今後ますます期待されると感じた今日この頃です。

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